重要なのはすべてのタッチポイントで変わることのないCX
MZ:BtoC事業者には、EC・実店舗の販売チャネルも含め、多くのタッチポイントがあります。複数のチャネルを前提とした現在のCXでは、その価値向上にどのような視点が必要でしょうか。また、このような課題をSAP Emarsysではどのように支援しますか。
ローゼンタール:いくつかの視点がありますが、まずは、「規模感をもってパーソナライズする」ことが重要だと考えます。先述の通り、SAP Emarsysではセグメンテーションとオートメーション機能の活用によって、ユーザー個人に一番響く形で、キャンペーンやEメール、SMS、プッシュ通知、SNS広告などを出すことができます。ユーザーに合わせてチャネルを選び、コンテンツをカスタマイズしていくことが重要なポイントの一つです。

二つ目は「オムニチャネルにコミットする」ということです。今の時代に求められているすべてのタッチポイントで一貫した価値を提供できるようにするのが理想ではないでしょうか。
SAP Emarsysでは、ECのみならず複数のマーケティングチャネルをシームレスに活用ができ、マーケターは一貫したメッセージや体験を、チャネルを問わず提供できるようになります。
三つ目は、「顧客分析の強化」です。担当者がデータドリブンな意思決定をして、より優れたCXの戦略を練ることが重要だと思います。SAP Emarsysには、強力な顧客分析と報告機能があり、BtoCのマーケターは、それらから顧客のインサイトを拾うことができるようになっています。
「独特な日本」に適応するための開発とパートナーづくりへ
MZ:最後に、今後日本でSAP Emarsysをどのように展開していくのか、展望をお聞かせください。
ローゼンタール:日本の市場でビジネスを伸ばしていく上で、まず何よりも重要なのが、日本のマーケットの皆様に受容されるようなローカライズです。先述のLINEの話のように、CXの在り方を日本独自のコミュニケーションに合わせていく必要があります。
また、我々はCX改善の重要性を日本の市場に問うていく企業の一つとしてそのリーダーシップに注力すべきとも考えています。我々はグローバルの組織としてこの業界で広く活動してきた約23年の経験があります。そこで培ってきたノウハウを日本のMAやCRMの領域でも提供していきたいと考えています。
加えて、ローカルパートナーシップを構築していくことも非常に重要だと考えています。今回の国内展開開始にあたり、NTTコム オンライン・マーケティング・ソリューションとの連携を発表しましたが、このように日本の様々な企業と今後パートナーシップの輪を広げていきたいです。
そして何よりも我々の根底にあるミッションは、マーケターの力添えになることです。SAP Emarsysの提供を通じ、効果的かつパーソナライズされたマーケティング施策を支援し、顧客との強固な関係構築、ビジネスの成長に貢献していきたいと思っています。
