EC事業者にとってDMは“接客の場”
MZ:現在のDMに変えてから、ユーザーからの反応は何かありましたか?
多賀:このDMに変えて以降、お客様からわざわざお電話でお問い合わせをいただくことが増えました。このようにお客様の能動的なアクションを引き出すことができるようになったのは大きな成果だと感じています。
また、効果の継続性についても成果を感じました。圧着DMの時には、届いた直後から2日後くらいまでに購買の波が来て、そこから反応率が急落するといった傾向でした。しかし今回のDMでは、最初の購買の波は圧着DMほど大きくなかったものの、それが緩やかに続くといった購買傾向が見られました。
これは、クリエイティブの質の高さからDMを保管してくれる割合が上昇したことを示していると考えています。
MZ:これまでのお話を踏まえて「DM」ならではの良さ・強みを、どこに感じられましたか。
多賀:まず、反応率の面では、メルマガや広告と比較して高い傾向にあります。その分、担当者としてはコストが気になるところですが、費用対効果を出すと、他の媒体と同等か場合によっては安い点も印象的でした。紙だからこそ得られるインパクトの強さは、今後もなくならないだろうと感じています。
また、ECという直接人の手を介さない事業部にとっては、DMは“接客の場”だと思っています。リアル店舗での店員と顧客とのコミュニケーションに代わる存在に成り得る点には、非常に魅力を感じています。
多賀:加えて、商品の正しい使用方法を伝える役割にも強みを感じます。元々ECサイト上に説明を載せていましたが、サイトやメルマガだけだと見過ごされてしまいやすい情報を、紙を使うことで目に留めてもらいやすくなります。このようにして、正しい使用方法が伝わり、商品の魅力をご体感いただいたことからさらにリピートにつながっていく流れの起点になったことには、紙のDMの力を感じました。
中嶋:開封率が他のチャネルと比べて高いというのはDMの特徴の一つですね。70%以上の閲読率があるというデータも出ています(日本ダイレクトメール協会調査)。お客様に温かみや商品の魅力を確実に届けることができ、行動を喚起する力があるというのは、DMの良いところだと思います。
DMを活用してF2転換率のさらなる向上とF3転換率改善を目指す
MZ:DM施策の活用について、今後の展望を教えてください。
多賀:二つあります。一つ目はこれまで通り、初回購入した方との重要なタッチポイントとしてDMを継続し、F2転換率を上げていくことです。
会員登録タイミングのチェック項目で「DMを受け取らない」と回答する率が時代とともに増加しています。当社でできることは、DMを受け取るメリットをお客様にお伝えし、理解いただくこと、受け取る選択をしていただけたお客様のレスポンスを上げるために、DMのクオリティを上げることです。今はまさにクオリティの向上に注力している最中で、レスポンス率は現在の200%から400%まで上げることを目標としています。
二つ目は、LTV向上に向けた重要なタッチポイントでDMを活用し、離脱を抑えることです。お客様のロイヤルティが上がるような仕掛けを用意していきたいと思っています。その際にもDMは有効に働くと考えています。
中嶋:フュージョンはCRM領域で、企業様のマーケティング活動の良き伴走者であることを重要視しています。そのためにも、部分的な一つの課題にフォーカスする前に全体を捉え、真の目的のためにバランスを取りながら解決していきたいと思っています。ポーラ様への支援においても、ミッションはあくまでお客様のLTVを最大化することであり、その手段としてDMは今後も非常に有効だと考えています。
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スマートDMは、デジタルと紙のDM(ダイレクトメール)を掛け合わせた手法のこと。デジタルとリアルのいいとこどりができるから、五感を揺さぶる1枚が、届けたい人のみにムダなく届く。これからの時代を想う、効率的な新たな手法です。