比較検討度は29%向上!コメント欄の意外な効用も
──インフルエンサー施策を通じてどのような成果が得られたのでしょうか?
櫻井:2023年12月にインフルエンサーのアカウントでタイアップ動画を公開していただき、2024年1月にそれらの動画を活用した広告の二次配信を実施した結果、kikitoの指名検索数が12月時点で最大4.3倍に、広告の二次配信を行っていた期間は合計で2.2倍に伸長しました。
櫻井:YouTubeで実施可能なブランド効果測定調査では、認知度の相対的ブランドリフトが28%向上していました。2022年に実施したYouTube広告施策の数値が約14%だったため、大きく改善したと言えるでしょう。
藤原:比較検討度でも相対的ブランドリフトが29%向上し、当初の課題であったサービスに対する理解度の向上にもつながっていると考えられます。実際、動画のコメント欄にはサービスの魅力が伝わったことを示すユーザーからの投稿が数多く見受けられました。
櫻井:コメント欄では、家電やデバイスを「買う派」と「レンタルやサブスクで使う派」が、それぞれのメリットとデメリットを議論している様子もうかがえました。このディスカッションは、我々がまさに求めていたものでした。なぜなら、様々な意見を聞き、納得した上でkikitoのサービスを選んでいただけるからです。
的確なオリエンは深い事業理解の賜物
──今回の成功の要因はどのような点にあると思われますか?
藤原:インフルエンサーの動画を通じて、kikitoと相性の良い家電・ガジェット好きのユーザーにコンテンツを届けられたことは大きいと思います。また、広告の嫌悪感が少ないと言われている縦型ショート動画のフォーマットや、動画ビューキャンペーン(Video View Campaigns)を通じた配信の最適化も、サービスの理解促進に寄与しました。
櫻井:キャスティングをする際に実施したインフルエンサー向けのオリエンも、成功要因の一つだと考えています。インフルエンサー施策を得意とするアイレップさんのプランナーがオリエンを担当してくれたのですが、kikitoのサービスはもちろん、我々がユーザーに届けたいメッセージも的確に伝えてくださいました。インフルエンサーの動画にも反映されていたと思います。オリエンの内容については、藤原さんともう1名の常駐メンバー、アイレップのプランナーの皆さんが連携して、伝え方のニュアンスを調整してくださいました。やはりこの点も事業理解が深まる常駐型ならではの良さではないでしょうか。
──最後に、今後の展望をお聞かせください。
櫻井:今回はガジェット好きのユーザーに向けた取り組みでしたが、kikitoでは美容家電やキッチン家電など様々なカテゴリの商品を取り扱っています。今回の成功事例を基に、今後は美容系などほかの領域のインフルエンサー施策にもチャレンジしたいです。
また、我々だけでマーケティングを実行するのではなく、お取り引きのあるメーカーや関連企業などと連携しながら、相互利益を生む企画も進めたいです。たとえば旅行関連事業を展開する企業と協力してカメラのレンタルキャンペーンを実施するなど、可能性は多分にあると思います。
藤原:広告会社にいるだけでは経験できない業務に携わることで、調達プロセスや物流の仕組みなど、他業種のビジネスに対する解像度が大いに上がりました。深い事業理解が今回の結果に寄与した手応えを感じていますし、視野が広がった分、今後も様々なクライアント企業に向けて提案の幅をさらに広げていきたいと思っています。