SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究(AD)

販売数前月比168%の事例も!電通デジタルが現場で培ったリテールデータ/メディア/店頭活用の実践知

複雑化するリテールメディア活用の課題とは?

──リテールメディアの活用では、現在どのような課題があるのでしょうか。

辻森:リテールメディアの認知と活用は急速に拡大していると感じますが、それにともないメーカー企業、小売企業双方の課題も多様化しているように思います。

電通デジタル辻森大邦氏
電通デジタル コマースマーケティング部門 プロモーションデザイン部 チーフコマースコンサルタント 辻森大邦氏
dentsu Japan各社と協働し、リテールメディアソリューションの推進・戦略立案・開発を担当。元々は日用雑貨・製薬・化粧品メーカーの営業職に約8年従事し、延べ28流通、卸店10支社を担当した後にリテールテック企業に移り、ドラッグストアと日用消費財メーカーと協働したOMO販促立案に約60ブランドで携わった経歴を持つ

辻森:メーカー側では、リテールデータを用いたデジタル販促による配信の効率化やリテールへの送客数増加といった成果を喜ぶ反面、「送客先の店舗での購入率や単価を上げたい」というニーズも聞かれます。また、「リテールデータなどのデジタル領域と小売店舗とが分断していて、施策効果を最大化できない」といった課題も見えてきました。

──つまり、店頭売上への貢献とデータ活用に課題があるということですね。

辻森:さらに複雑な課題もあります。それはリテールメディアに対する知識・理解の差がメーカー社内に生じていることです。メーカーの営業部門、そしてマーケティングや宣伝部門との間で差があるのです。

──具体的にどのような差が生じているのでしょうか?

藤田:たとえばメーカーが店舗の売場でキャンペーンを展開する場合、「それは販促活動だから、営業部門の販促予算で実施すべき」という長年の商習慣に基づいた暗黙の了解が、マーケティング・宣伝部門にありました。

 ただ、リテールデータやメディア、店舗を活用した多面的な施策になると、これまでの販促活動とは異なります。広告配信も絡みますし、購入者のインサイトに基づくプランニングなど、マーケティング領域との関わりが生じるためです。

辻森:逆にマーケティング部門がより深くリテールメディアに関与する中で、営業部門のKPIとのすり合わせが難しいケースもあります。そのため予算が付きにくいこともありますし、施策によってどちらに力点を置くべきなのか、判断が難しくなるといった課題が出ています。

──小売事業者側の課題についてはいかがでしょう?

辻森:自社のオウンドメディアの拡充やソリューション開発を進めているものの、その活用にあたっては、やはり社内共有やコミュニケーションに時間がかかり、浸透しきっていない状況があります。また施策がオンラインとオフラインにまたがっており、関与する部門も多岐にわたることで、調整に苦労しているケースが多いと思います。

課題解決の鍵は“店頭とデジタルの接着・拡張”

──どうすればその状況を解決できるのでしょうか。

辻森:成果最大化の面では、デジタルと店頭が分断している状況を変える、つまり「デジタルと店頭との接着・拡張」を実現し、オンオフの総合施策に取り組むことが重要なポイントとなります。

リテールメディア活用における課題と解決策
※クリックすると拡大します

辻森:また予算の捻出・施策の設計にあたっては、メーカーの営業部門とマーケティング部門の連携が重要です。しかしながら、両者の連携を働きかけるにも、リテールデータ・メディア・店頭という複数視点で話せる人材が不足しているように見えます。そのため、人的リソースや知見の面で客観的にフォローできる外部企業の協力が必要になってきます。

──その外部企業に求められる要件とはどのようなものですか?

辻森:メーカーと小売、双方の課題と構造を理解して、適切なアドバイスを示せることです。そして店頭やデータについて熟知しているだけでなく、小売事業者側の組織方針やオペレーションの違いに対する理解も必要です。そのような理解があった上で「店頭で現実的に実施可能な施策を提案・実現していく」という見極めも必要になります。

 そして、店頭とデジタルの接着による現実的なアイデアを、メーカー側の適切な部門にきちんと伝達できること。これができて初めて、すべての関係者が同じ視点と問題意識で、オンオフの総合施策を実行できるようになると思います。

次のページ
オンオフの総合施策で、販売数量が前月比168%を達成!

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

岩崎 史絵(イワサキ シエ)

リックテレコム、アットマーク・アイティ(現ITmedia)の編集記者を経てフリーに。最近はマーケティング分野の取材・執筆のほか、一般企業のオウンドメディア企画・編集やPR/広報支援なども行っている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社電通デジタル

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/10/31 12:46 https://markezine.jp/article/detail/46715

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング