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業種別アプリマーケ事例大全

MAU率は約30%を維持!羽田空港公式アプリがファン心理を捉える理由

多様なサービスとの接点創出でアプリを活用するサイクルを作る

 帰省であれば、家族や友人に対して東京のお土産を買うという人が増えますし、仕事で行く場合は、東京の銘菓のようなものを取引先への手土産として持っていく人が多くなるでしょう。

 これらの情報がフライトデータ、会員データ、購買データを結合させることでわかるようになるため、施策を行う時のペルソナが描きやすくなります。さらに、より適切なOne to Oneマーケティングにつなげていくことができます。

──アプリの特性上、飛行機に乗るようなタイミングではないとアプリをアンインストールされてしまう可能性も高くなってしまうと思います。リテンション施策はどのように行っていますか。

 先述の通り、毎週金曜日に行っている羽田空港クイズの配信は、プッシュ通知の開封率も高く、リテンション施策として強力な効果を発揮しています

毎週金曜日に配信される「HANEDAクイズ」のイメージ

 この他にも、空港内で行われるイベント情報の定期的な配信や、マイフライト登録やポイントサービスなどの機能を通じて利便性を実感してもらう。さらには、まだ使われていないサービスを定期的に提案し、様々なサービスと関わってもらうことで、アプリにまた戻ってきてもらうサイクルを作るように意識しています。

ユーザーに向き合うことがロイヤルカスタマー醸成のカギ

──ユーザーに愛されるアプリとなるために、運用時に意識すべき点があれば教えてください。

 やはり、常にユーザーの気持ちを考え、真剣に取り組むことが非常に大切ですね。ユーザーの行動データやアンケート結果からは、彼らが抱える不満の声などの課題を知ることができます。これにしっかりと向き合い改善していくことが、顧客理解を深めてロイヤルカスタマーを生み出すことにつながっていくのではないでしょうか。

 また、アプリ運用は、分析やコンテンツ制作など、膨大な時間と労力が掛かってしまうものです。ゆえに、取り組む前は私たちも「いかに省力化するか」を考えていました。ただ、現在当社ではアプリがあらゆるサービスへの誘導のハブとなっています。アプリ運用が業績の向上にもつながり得ると考え注力しています

中澤氏とともにアプリの開発や運営に取り組んでいるチームメンバー

──最後に、今後の展望をお聞かせください。

 引き続き、同アプリを通じて、一人でも多くの来港客の利便性向上に貢献し、ロイヤルカスタマーを醸成していきたいです。

 2024年10月には、多言語対応のアプリや、現在のアプリよりも高機能なマップサービスの提供を開始予定です。今後の反響によってはWeb版のリリースやインバウンド向けの独自サービスの展開なども視野に入れています。特定の顧客層が求める高付加価値のサービス創出にも注力していきたいです。

 また、オンラインコミュニティ「羽田俱楽部」のリリースも予定しています。同コミュニティは、羽田空港の使い方を知り尽くしている方々と一緒に、空港の楽しさや裏技・豆知識を広く伝えていきたいという目的で作ったものです。同コミュニティも、われわれでは気づかなかったニーズをくみ取る場となり、そこから新しいサービスの提供にもつながっていくのではないかと期待しています。

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この記事の著者

堤 美佳子(ツツミ ミカコ)

ライター・編集者・記者。1993年愛媛県生まれ。横浜国立大学卒業後、新聞社、出版社を経てフリーランスとして独立。現在はビジネス誌を中心にインタビュー記事などを担当。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/10/18 09:00 https://markezine.jp/article/detail/46719

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