VoC分析ではフォロワー的な立場の日本企業
──日本と海外で比較した場合、日本企業はVoC分析に関して先進的なのでしょうか、それとも遅れているのでしょうか?
現時点では、フォロワーの立場でしょう。日本企業は、慎重な姿勢で新技術を導入する傾向があるからです。しかし、一度導入を決めると急速にキャッチアップしますから、今後日本のCPG(消費財)企業も、VoC分析に積極的に取り組むと考えています。
私たちの戦略上でも、日本は重要な国の1つです。実際に最大級のブランドの多くが、日本から生まれています。たとえばユニクロ、ソニー、富士フイルム、任天堂などが挙げられますが、これらはほんの一部に過ぎません。
しかし、どのグローバル企業も、世界各国に存在する顧客の声を正確に把握することと、セールスファネル全体をカバーすること、これら2つの課題に直面しています。「In every challenge lies an opportunity」とも言いますが、すべての課題の中にチャンスが潜んでいるものです。そして、最も重要なのは行動を起こすことです。
日本のブランドがグローバル展開に成功するためには?
最後に、日本のブランドがグローバル展開でチャンスをつかむヒントをお伝えしましょう。グローバル展開を成功させるためには、グローバルと国内の両方の消費者が、自社の商品についてどう考えているかを理解することが極めて重要になります。
私たちは、Revuzeのプラットフォームを用いて、日本市場を含む世界8ヵ国でのワイヤレス充電器に関するレポートをまとめました。
一例として、日本市場では「Amazon Japan」「ヨドバシ.com」「価格.com」といったソースから収集したVoCを分析した結果、ワイヤレス充電器に関して日本の消費者が最も重視するポイントは、「充電機能」と「ケーブル関連」だとわかりました。
一方で、「便利さ」「適切さ」「価格」といった用語も見つかりました。これらは日本の消費者が不満を表現する際に使う単語です。このような、消費者が使っている自然な言葉遣いは、有効な訴求メッセージになり得ます。
そして注目いただきたいのが、同じ商品でも国によって重視されるポイントが異なるということです。同じ商品でも、日本と中国、アメリカでは「使い勝手」を重視する一方で、フランスとドイツ、韓国では「デザイン性」に着目する消費者が多くなっています。
消費者の思考は、文化的な側面から受ける影響が非常に強いことがわかりますよね。そのため、自国でうまくいったものが、必ずしも他国でうまくいくとは限らないのです。このように言語の壁を越えて、地域差のある嗜好性を理解することが、グローバル展開の一助になるのは間違いないでしょう。
Revuzeは、本格的に日本に進出します。今後は、お客様の真の声を効率的に理解し、実績をより向上させるお手伝いをさせていただきたいと考えています。