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第106号(2024年10月号)
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MarkeZine Day 2024 Autumn

お菓子を通じて価値を力強くつなぎ合わせ新しい成果(製菓)を生み出す、春日井製菓の「おかしなコラボ」

29社が参加、大規模コラボイベントを開催

 ──2023年からは愛知にゆかりのある企業とコラボした大規模イベント「おかしなサマースクール in 愛知」を開催していますが、こちらはどのような取り組みなのでしょうか?

 春日井製菓が創業95周年を迎えた2023年の夏に、「大好きな愛知を面白く盛り上げよう!」という思いから、愛知県にゆかりのある企業12社を集めた「おかしなサマースクール in 愛知」を開催しました。

 「OPEN!(口も心もどんどん開こう)、FLAT!(役職も年齢も気にせずに発言しよう)、DIVERSITY! (いろんな意見や価値観を認め合い・讃え合おう)」、「おかしな」を冠するにふさわしい意外性や新奇性をともなう嬉しさを生み出すこと、というグランドルールを定め、子どもから大人まで楽しく学べるプログラムを用意しました。

 初年度はどうなるか不安な面もありましたが、あっという間に満席になり、イベント参加者からは「来年もぜひ開催してほしい」という声を多くいただきました。コラボ企業側からも、異業種の会社が集って1つのイベントを成功させるために協力し合い、これまで接点のなかった人同士の交流が生まれたことで、「新たなつながりや知見が得られた」という反響が多くありました。

 面白さを実感したメンバーたちが、周りの面白い人たちに「一緒にやらない?」と声を掛けたところ、今年はコラボ企業が29社にもなりました。おかげで、すごくパワーアップした形で「おかしなサマースクール2024 in 愛知」が開催できました。

そのコラボはお金だけの関係になっていないか?

 ── 異業種コラボをすることで、どのようなメリットが生まれるのでしょうか?

 自分の力量が見える、自社を客観視できる、アイデアが多様化する、コストを割り勘にできる、など多くのメリットがあります。

 中でも「人のせいにできる」面はコラボならではのメリットだと思います。これは悪い意味ではなく、面白いことがしたい現場が意思決定層から許可を取る際に、「春日井製菓さんから“おかしな”じゃないとダメと言われまして……」と他責にできることで、自社内だけではできなかったことができちゃうんですね。

 いろんな業種の企業がいると、閑散期と繁忙期の違いや、得意な領域の違いがあるので、人手やアイデアを補い合える。結果的に今までになかった新しくて面白い取り組みが実現できました。これは大きな発見でした。

 そもそもコラボレーションの語源は「com(共に)」と「laborare(働く)」です。業界も職種も年齢も社内用語もまったく違う人たちが一緒になって、見たこともなかった新しい価値を生み出すのは、ものすごく大変です。でも、その先に、自社だけでは得られなかった歓びがある。

 ロゴを並べただけ、お金(ロイヤリティ)だけの関係はラクですが、私は、本当のコラボレーションがしたいと考えています。

次のページ
おかしなサマースクールの費用対効果とは?

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この記事の著者

古田島 大介(コタジマ ダイスケ)

 1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、エンタメ、カルチャー、web3、NFTなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2024/11/15 08:30 https://markezine.jp/article/detail/47005

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