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「AIが生成した広告」を消費者の脳はどう処理するか?脳の研究でわかった4つのこと

 アメリカの消費者インテリジェンス企業NielsenIQは2024年12月、AIが生成した広告を消費者の脳がどう処理するかに関する研究結果を発表した。生成AIがクリエイティブ産業の限界を押し広げようとしている中、今回の発表は、新たなテクノロジーを機会と捉え、その課題を乗り越えようとする広告主企業に示唆を与えるものである。この研究には、2,000人以上が参加し、AIが生成した低品質または高品質な動画を含むビジュアル広告を視聴し、アンケートに回答。そのうち約150人の脳内の活動は、脳波検査(EEG)を使用して測定された。

脳の研究でわかった4つのこと

 NielsenIQ(NIQ)の研究では、主に以下の4点が明らかになった。

  1. AIが生成した広告はネガティブなブランドハロー効果を生み出し、広告とブランドの両方に対する消費者の認識を弱める可能性がある
  2. たとえ高品質な広告であっても、記憶を活性化する力が弱く、消費者の行動意欲を阻害する可能性がある
  3. 既存の表現方法を踏襲することでブランド連想を効果的に強化するものの、ネガティブな印象がそれを上回る可能性がある
  4. 認知的に負担が大きく、意図したメッセージから消費者の注意をそらす可能性がある

 以下では、研究結果の詳細と、広告主企業とブランドが取るべき対策を解説する。

AIが生成した広告は容易に見破られる

 研究に参加した消費者は、AIが生成した「クリエイティブの質」に非常に敏感だった。広告の印象について尋ねると、彼らの多くは即座に、そして促されることなく、そのほとんどを「AIが作成したものだ」と認識した。

 実際、消費者がそのように即座には認識しなかった唯一の広告は、広告制作のプロフェッショナルがかなりの反復編集を経て作成したものだった。消費者はまた、AIが生成した広告をすべて、そうでない広告に比べて「著しく煩わしく、退屈で、紛らわしい」と評価した

 つまり、AIによって生成された広告は、たとえ消費者がそのように明確に認識していなくても、心の中でネガティブなハロー効果を引き起こす可能性がある。AIを使用する場合、企業とブランドはより一層「クリエイティブの質」を追求する必要がある。

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AIが生成した広告では「記憶の活性化」が弱い

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この記事の著者

岡 徳之(オカ ノリユキ)

編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。

●ウェブサイト「Livit」

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/01/22 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48034

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