最重要トレンドは「生成AI」、CTVを抜きトップに
同調査によると、マーケティング担当者が最も重要だと考えている消費者テクノロジーとメディアのトレンドは「生成AI」だった(回答者の割合:63%)。
この生成AIが急速かつ前例のない進化を遂げたことで、広告主はより迅速に同技術を導入するようになっている。
マイクロソフトが2024年11月に発表した調査によると、広告主企業の生成AIの使用率は、2023年の55%から2024年には75%に増加している。
またOpenAIは2024年1月、ユーザーが特定のタスクに合わせたGPTを作成・カスタマイズ・共有できるプラットフォーム「ChatGPT Store」の提供を開始。これにより、生成AIツールは熟練開発者だけでなく、一般的な非技術系ユーザーにとっても、格段にアプローチしやすいものとなった。
さらに同社は、多言語のテキスト、画像、音声を扱うことができるマルチモーダル(汎用性の高いモデル)な「GPT-4o」を発表。生成AIはさらに進化し、様々な形態のメディアに対する包括的な処理が可能となった。
他のテック大手も自社製品に生成AIを組み込む動きを見せている。グーグルもその一つで、検索プラットフォームに生成AIを組み込むことで、ユーザーはAIが生成した要約を受け取ることができるようになった。
なお、前回の調査(2024年7月)でトレンドのトップだった「CTV(コネクテッドTV)」は2位にランクイン(回答者の割合:56%)。依然として重要なチャネルではあるものの、生成AIが上回る結果となった。
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唯一成長したマーケティング投資対象は「自動化」
マーケティング担当者が重要だと考える広告・メディア領域の投資対象に関する設問では、「パフォーマンス・ドリブン・ペイド・メディア(62%)」、「測定とアトリビューション機能(50%)」、「ブランド広告(45%)」がトップ3だった。
一方、前回調査から唯一成長した対象は「自動化」だった。回答者の割合は、前回の24%から28%に伸長。なお、「クリエイティブテストと分析」は横ばい、その他はすべての項目で減少した。
この自動化はAIに支えられるものであり、これによって広告主企業は、ワークフローを合理化し、手作業や冗長なタスクに費やす無駄な時間をなくすことができる。
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なお企業によるAIの最も一般的な用途は、「データ分析(47%)」と「市場調査(38%)」、それに「コピーライティング(32%)」と「画像生成(22%)」が続いた。
業種別に見てみると、本調査に参加した企業の全業種のうち、4分の3が「データ分析」を最も一般的なユースケースとしている。これには、自動車、CPG/FMCG(消費財)、DTC、エンターテインメント、金融サービス、ハイテク、電気通信などの業界が含まれる。
一方、教育、小売、旅行など4分の1の業種が、AIの主なユースケースとして「市場調査」を挙げた。