オムニチャネル広告プラットフォームを提供する米ニューヨークのMediaocean社が2025年1月、広告市場における2025年上半期の見通しに関する調査結果を発表した。同レポートは、約700人のマーケティング専門家を対象に行った最新の調査に基づき、企業のマーケティング担当者が急速な技術革新と消費者行動の変化にどのように対応しているかを明らかにしたものである。
最重要トレンドは「生成AI」、CTVを抜きトップに
同調査によると、マーケティング担当者が最も重要だと考えている消費者テクノロジーとメディアのトレンドは「生成AI」だった(回答者の割合:63%)。
この生成AIが急速かつ前例のない進化を遂げたことで、広告主はより迅速に同技術を導入するようになっている。
マイクロソフトが2024年11月に発表した調査によると、広告主企業の生成AIの使用率は、2023年の55%から2024年には75%に増加している。
またOpenAIは2024年1月、ユーザーが特定のタスクに合わせたGPTを作成・カスタマイズ・共有できるプラットフォーム「ChatGPT Store」の提供を開始。これにより、生成AIツールは熟練開発者だけでなく、一般的な非技術系ユーザーにとっても、格段にアプローチしやすいものとなった。
さらに同社は、多言語のテキスト、画像、音声を扱うことができるマルチモーダル(汎用性の高いモデル)な「GPT-4o」を発表。生成AIはさらに進化し、様々な形態のメディアに対する包括的な処理が可能となった。
他のテック大手も自社製品に生成AIを組み込む動きを見せている。グーグルもその一つで、検索プラットフォームに生成AIを組み込むことで、ユーザーはAIが生成した要約を受け取ることができるようになった。
なお、前回の調査(2024年7月)でトレンドのトップだった「CTV(コネクテッドTV)」は2位にランクイン(回答者の割合:56%)。依然として重要なチャネルではあるものの、生成AIが上回る結果となった。
唯一成長したマーケティング投資対象は「自動化」
マーケティング担当者が重要だと考える広告・メディア領域の投資対象に関する設問では、「パフォーマンス・ドリブン・ペイド・メディア(62%)」、「測定とアトリビューション機能(50%)」、「ブランド広告(45%)」がトップ3だった。
一方、前回調査から唯一成長した対象は「自動化」だった。回答者の割合は、前回の24%から28%に伸長。なお、「クリエイティブテストと分析」は横ばい、その他はすべての項目で減少した。
この自動化はAIに支えられるものであり、これによって広告主企業は、ワークフローを合理化し、手作業や冗長なタスクに費やす無駄な時間をなくすことができる。
なお企業によるAIの最も一般的な用途は、「データ分析(47%)」と「市場調査(38%)」、それに「コピーライティング(32%)」と「画像生成(22%)」が続いた。
業種別に見てみると、本調査に参加した企業の全業種のうち、4分の3が「データ分析」を最も一般的なユースケースとしている。これには、自動車、CPG/FMCG(消費財)、DTC、エンターテインメント、金融サービス、ハイテク、電気通信などの業界が含まれる。
一方、教育、小売、旅行など4分の1の業種が、AIの主なユースケースとして「市場調査」を挙げた。
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岡 徳之(オカ ノリユキ)
編集者・ライター。東京、シンガポール、オランダの3拠点で編集プロダクション「Livit」を運営。各国のライター、カメラマンと連携し、海外のビジネス・テクノロジー・マーケティング情報を日本の読者に届ける。企業のオウンドメディアの企画・運営にも携わる。
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