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世界ではAIを活用した価値創出に焦点/ガートナー、2025年のデータ&アナリティクスのトレンドを発表

 ガートナージャパンは、2025年のデータ&アナリティクス(D&A)のトップ・トレンドを発表した。

 日本では、いまだデータ基盤やガバナンスの整備に追われている企業が目立っている。一方、世界ではAI活用による価値創出に焦点を当てている状況だ。とはいえ、データ品質の管理や統制を欠かすことはできない。D&Aリーダーは、下記のトレンドを踏まえながらも、自社の現状から現実的な次の一手を見極め、組織をリードしていく必要がある。

データ・プロダクト

 データ・プロダクトとは、データに基づき、ビジネスの意思決定や商品開発などを行うソリューションを指す。D&Aリーダーは、ビジネスにとって重要なユースケースに注力し、データ提供の課題を軽減するようデータ・プロダクトを設計・スケールする必要がある。再利用可能でコンポーザブル(組み合わせ可能)な最小限の機能で、実用に足るデータ・プロダクトの提供することが重要だ。また、データ・プロダクトの成果を測定するために、開発チームとユーザーの間で主要KPIについて合意することが不可欠だ。

メタデータ管理ソリューション

 効果的なメタデータ管理は、まずテクニカル・メタデータから始まり、次にビジネス・メタデータを取り入れ、そのコンテキストを拡張していく必要がある。組織は、様々なメタデータを組み込むことでAIドリブンなユースケースが実現できる。したがってメタデータの探索や管理の自動化、分析ツールの選定が重要だ。

マルチモーダル・データ・ファブリック

 堅牢なメタデータ管理を実現するには、データ・パイプライン全体でメタデータを収集・分析することが必要だ。データ・ファブリック(企業の様々なデータを一元管理し、活用するための仕組み)による自動化や洞察の取得は、担当者のオーケストレーション※1への期待に応えられ、DataOps※2の実践によって運用を改善させ、データ・プロダクトの実現を後押しできる。

※1オーケストレーション:サイロ化されたデータを統合・整理し分析

※2DataOps:組織内のデータ管理者とデータ利用者の間で行われる、データ・フローに関するコミュニケーション、統合、自動化、オブザーバビリティ (可観測性)、運用の改善に焦点を当てた、協調的なデータ管理のアプローチ

シンセティック (合成) データ

 AIイニシアティブを進展させるためには、データの欠落や、取得困難な領域の特定が重要だ。シンセティック・データは、データのプライバシーを確保するだけでなく、データのバリエーションを増やすことによってAIの開発を促進できる。

エージェンティック・アナリティクス

 AIエージェントを用いたデータ分析は、組織に革新的なビジネス成果をもたらす。自然言語によってデータから洞察を導き出し、その洞察も自然言語で表現する、新たなユースケースに取り組むことが期待されている。こうした取り組みを進める際は、AIガバナンスを整備し、ハルシネーション(誤認識)などのリスクを最小限に抑えることが求められる。

AIエージェント

 AIエージェントの真の価値を引き出すためには、大規模言語モデル(LLM)のみに依存せず、他のAI・分析手法と組み合わせる必要がある。D&Aリーダーは、AIエージェントがアプリケーション間でスムーズにデータへアクセス・共有できるように整備すべきだ。

小規模言語モデル

 より精度が高く文脈に合った出力を得るには、大規模モデルではなく、特定領域に特化した小規模言語モデルを検討することが推奨されます。特にオンプレミス運用(自社運用)では、機密性の保持や計算リソース、コスト削減の観点から有効だ

コンポジットAI

 コンポジットAIは、複数のAIなどを組み合わせることで、AIの影響力や信頼性を向上させられる。D&Aチームは、生成AIやLLMに、データ・サイエンス、機械学習、ナレッジ・グラフ、最適化などの手法を組み合わせた包括的なAIソリューションを提供する必要がある。

意思決定インテリジェンス・プラットフォーム

 これらを活用するためには、データ・ドリブンから意思決定中心のビジョンへの移行が重要だ。モデル化(構造化)することで、価値が高く見込まれる意思決定を優先。加えて意思決定インテリジェンス (DI) のフォームを構築することが推奨される。それと同時に、意思決定の自動化における倫理、法的、コンプライアンス面についても鑑みる必要がある。

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2025/04/09 07:30 https://markezine.jp/article/detail/48693

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