unerryは2025年7月14日、リアル行動データプラットフォーム「Beacon Bank」に蓄積された人流ビッグデータを利用したアンケート調査サービス「Beacon Bank アンケート」の提供を開始した。同サービスは、楽天インサイト、インテージ、ジオテクノロジーズと連携し、調査設計から回収・集計まで一貫した対応が可能だ。

「Beacon Bank」には、月間840億件を超える人流データや国内約1億6,000万IDの位置情報ログが蓄積されている。従来のアンケート調査では「◯◯に行きましたか?」などの自己申告が前提だったが、本サービスでは、実際の行動ログをもとに店舗や観光地来訪者、OOH(交通広告・屋外広告)接触者などの対象者を抽出し、現地や広告接触直後にアンケートを配信できるため、より実態に近い声の収集が可能となる。
本サービスの主な特徴として、(1)実行動に基づく対象者設定(2)行動と意識をかけ合わせた消費者インサイトの獲得(3)屋内外をカバーする高精度な人流データの活用などが挙げられている。屋外のGPSデータに加え、全国約217万個のビーコンネットワークによる屋内・地下の位置計測を組み合わせることで、場所条件に基づく高精度なアンケート設計を実現している。
具体的な活用シーンとしては、OOH(屋外広告)やリテールメディアのブランドリフト測定、実店舗での購買・体験に関するフィードバック取得、観光地やイベント来訪者の行動分析・満足度調査などが想定されている。広告接触の有無による認知・印象・行動意向の違いが可視化され、顧客体験や販促施策の改善、地域活性化施策などにも活用できる。
unerryの人流ビッグデータは、特定の個人を識別できない個人関連情報であり、法令および各社のユーザーの許諾の範囲でデータ活用は行われるという。
同社は、今回の新サービスについて「行動起点のリサーチ基盤」としての発展を掲げ、今後もリアルタイム性の高い調査や目的別に最適化したパッケージ提供に取り組むとしている。
【関連記事】
・ジオテクノロジーズとJTB、人流分析ツール「トレポト」 を共同開発
・クロスロケーションズ、LAPに統合データ分析機能を追加 外部データと人流データを統合した分析が可能に
・コニカミノルタジャパン、「BAUMX」を提供 展示空間での人流・感性に関するデータの取得と分析を実施
・クロスロケーションズ、訪日外国人の人流データ分析システム「インバウンドアナリティクス+」を提供
・クロスロケーションズ、シリコンバレーVCと提携 人流データ分析プラットフォームの世界展開を推進