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【横山隆治×菅原健一】マーケティングのゲームは変わった──AI時代をどう勝ち抜くか?

経営者がAIを使ってマーケティングで「投資」するべき時代へ

横山:「ビンゴ型マーケティング」の話をする際に、ついつい使ってしまいがちなのですが、最近「ターゲット」という言葉に違和感を持っています。「需要が〇つある」というふうに言い換えるようにしていて。

菅原:確かに、それが正しいですよね。元々マーケティングは軍事から発達してきた歴史があるからそういった言葉が多い。広告の送り手からしたら論理の通る言葉かもしれませんが、受け手からしたらいい気分ではないな、と僕も思います。

画像を説明するテキストなくても可

横山:とはいえ「ターゲット」と言わないと、まだ共通言語として伝わらないこともあるのが難しいところです。そもそも「マーケティング」さえ、日本語で直訳できる言葉はなく、定義は人によってバラバラ。経営者もマーケティングとは何かわかっていないままに、誰かに担わせてしまっているのではないでしょうか。

菅原:本当にそうでしょうね。「マーケティング=広告出稿」だと思っている人が多い……。

横山:「広告」はあくまで4Pのプロモーションのなかの一部でしかないのにね。

菅原:本来は「どうやって会社や製品の価値を上げるのか」を考えなくてはならないんですよね。コストをマーケティングに投資したぶん、価値を高められているのか。しかし、「マーケティング=広告」の考え方で進めてしまうから、本質が見えなくなってしまう。

横山:結局、マーケティングは経営者がやらなければならないんです。「経営≒マーケティング」ですから。

菅原:プロダクトやファイナンスに介入できる経営者が、どのようにレバレッジを効かせられるか考え、「投資」していくのが本来のマーケティングであるべきですよね。

横山:もはや経営者がマーケティングにAIを使うのが一番なんだろうな、と思います。各部署がAIを部分最適で使っていても、マーケティング全体の最適化にはつながりませんから。

AIと“共創”する覚悟が、マーケターの未来を分ける

菅原:多様化されたメディアに、多様化されたコミュニケーションが必要な時代になりましたよね。しかも、「確実に売れるか」なんて誰もわからない。

横山:これだけマーケティングが複雑化されてしまったのだから、もう人の頭の中で議論している場合ではないと思います。AIで最適解を出して、実際に施策を試してみる──を繰り返していくしかないんじゃないでしょうか。今後はAIと一緒にコミュニケーション開発するのは当たり前になっていき、「どれだけAIを使ってみたか」が勝負の分かれ目になるのかもしれません

菅原:物を売ることが厳しくなっていく時代への覚悟は必要ですが、だからこそ積極的にAIと協働してどんどんトライしていくべきですよね。人間が「理解しよう」「コントロールしよう」と思わず、AIに手綱を渡す覚悟のあるマーケターが、これからのAI時代を勝ち残っていくことになるのでしょう。

対談はまだまだ続き、話題は「これからの広告と代理店の役割」に移ります。
後編記事は、明日公開予定です。お楽しみに。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/17 08:30 https://markezine.jp/article/detail/49468

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