SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

新着記事一覧を見る

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

生活者の心理はどう変化している?消費者行動&調査手法の最新動向(AD)

AI時代、企業は消費者の“本物の声”をどう掴むべきか。ニッセイ基礎研究所に聞く、新時代の顧客理解

 生成AIが一般化し、消費者の情報収集や購買行動は大きな変革期を迎えている。UGCにもAIで生成された情報が混在し始め、本物の「顧客の声」を掴むことが困難になってきたと感じるマーケターもいるだろう。消費者インサイト調査においては、どの程度AIに任せ、生成された情報をどこまで信用すべきなのか。本記事では、ニッセイ基礎研究所の小口 裕氏を招き、2025年の消費行動の傾向から、AI時代におけるインサイト把握の留意点、企業やマーケターが担うべき責任まで、専門家ならではの視点をうかがった。

購買行動は「慎重」姿勢、消費者のAI利用は拡大中

MarkeZine編集部(以下、MZ):まずは2025年の消費者の購買行動について教えてください。目立った変化やトレンドはありましたか。

小口:ここ数年続く物価上昇を背景に、2025年は引き続き「慎重」が消費者の基本スタンスだったと言えるでしょう。しかし、買い控えるべきタイミングには節約し、自分や家族のためなど、お金をかけるべきタイミングには吟味して、「自分に合った、長く使える商品」を選択する傾向が顕著になっています。一方、物価上昇にあわせて徐々に賃金も上昇の兆しも見られることから、メリハリをつけつつ、「節約疲れ」の発散のため、時に衝動買いをするといったような「賢い消費」と言われる傾向も見え始めています。

株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部 准主任研究員 小口 裕氏
株式会社ニッセイ基礎研究所 生活研究部 准主任研究員 小口 裕氏

 加えて、価値観やライフスタイルの多様化は、「界隈消費」が消費のキーワードとして流行したように、ますます広がっているように見えます。消費の理由や、目的、満足の基準もバラバラに細分化していくため、これまで以上に消費者インサイトをひと括りに考えることは難しくなってきているでしょう。

MZ:消費者におけるAIの活用状況についても教えてください。

小口:若い世代を中心に利用は確実に広がっています。総務省の調査によると、20代の半数弱にあたる44.7%は生成AIを使っている(使ったことがある)状況です。ただし、海外と比べると日本の利用率はまだ低く、米国や中国、ドイツなどから大きく後れをとっています。

 続いて「何に生成AIを使っているか」の調査では、「調べもの」や「コンテンツの要約・翻訳」が上位に。一方で、「AIから自分の好み・生活様式にあった提案を受ける」といった消費に繋がるレコメンド的活用は2割未満にとどまっています。既にAIがコマース分野に浸透しつつある米国とは、大きく相違のある部分だと言えるでしょう。

総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活動の動向に関する調査研究」より
総務省「国内外における最新の情報通信技術の研究開発及びデジタル活動の動向に関する調査研究」より

企業の生成AI利用は日米で目的に明確な差異あり

MZ:続いて、企業側の生成AI活用の状況や目的について教えてください。

小口:このトピックは日本と米国の差がはっきりと表れていて興味深い部分ですね。総務省のデータによれば、日本企業はAIに対し「業務効率化」や「人員不足解消」の期待を寄せている一方で、米国企業は「ビジネス拡大」や「顧客獲得」を目的としている傾向があります。米国のほうがより創造的かつ、「成長の武器」としての使い方と言えるでしょう。

 この発想の違いが、消費者のAI活用にも影響をおよぼしている面もありそうです。米国ではコマース領域を中心に、商品レコメンドや比較リストの自動生成など、購買に直結する領域でAIが組み込まれ始めています。その結果、消費者側も「AIから提案を受ける」ことも増えつつあり、AI経由のサイト流入(トラフィック)におけるシェアは急激に高まっています。コンバージョン率自体はまだ発展途上ではあるものの、日本と比較すれば購買行動への組み込みは確実に進んでいると言えるでしょう。

MZ:日本ではまだコマース領域での活用は進んでいないのでしょうか。

小口:ここ数年で実装は増加していますが、まだ米国のようにコンバージョンまで十分に到達できる状況ではありません。とはいえ、顧客接点が形成されつつあるため、AI経由の流入は着実に増え始めています。

MZ:日本では、どのような領域でのAI流入が増加しているのでしょうか。また、その理由も教えてください。

小口:流入が目立つ領域は、アパレルやファッション、コンテンツなどです。考えられる理由は2つ。AI活用に抵抗のない若年層が触れているサービスであることと、選択肢が多く探索が必要なサービスであることです。これらの業種に加え、保険など「仕様のすり合わせが必要な商品」は、今後AIが役立つ領域になり得るのではないかと推察します。

次のページ
生成AIの情報は「二次情報」、これからの消費者理解の注意点

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
生活者の心理はどう変化している?消費者行動&調査手法の最新動向連載記事一覧
この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:Meltwater Japan株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/03/30 10:00 https://markezine.jp/article/detail/50197

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング