SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

業界キーパーソンと探る 注目キーワード大研究

「大手メーカーで私の望む家はつくれない」その思い込みを覆す、積水ハウスの“リアルな”発信戦略

 ブランドの“最大の魅力”をどのように伝えるか。自社の価値を見いだし、それを最適な形で多くの人に届けることは容易ではないだろう。積水ハウスは自社の家づくりの価値を伝えるために「北欧、暮らしの道具店」を運営するクラシコムと共に積水ハウスで家を建てた人のストーリーを動画広告として展開。直近では同メディアの店長、佐藤友子氏の家づくりに密着した動画コンテンツが反響を呼んだ。この施策の狙いについて、積水ハウスの足立紀生氏と酒井恵美子氏、クラシコムの高山達哉氏に話を聞いた。

「積水ハウスの家づくり」のイメージをどう変えるか

――「北欧、暮らしの道具店」で公開された佐藤店長の家づくり動画を、私もいち「北欧」ユーザーとして視聴しました。家づくりや、積水ハウスさんのイメージが一変しまして、同取り組みについて興味を持ち、取材を申し込ませていただきました。

画像クリックでYouTubeが開きます
画像クリックでYouTubeの動画に移動します

――まずは両社の関係や取り組みの背景を教えてください。

酒井(積水ハウス):積水ハウスは「有名な大手ハウスメーカー」というイメージを多くの方がお持ちです。それもありがたいことですが、一方で、当社がどのようなことを大切にしているか、具体的にどのように家づくりをしているか、伝えきれていないと感じていました。

足立(積水ハウス):生活者の嗜好がより細分化されていく中で、「自分にフィットしているか」「自分の好きなものか」を重視する人が増えています。実際のところ、当社は一邸ずつ丁寧に注文住宅をつくっています。しかし「有名な大手ハウスメーカー」であることから、このようなこだわり層の選択肢に入りにくいという課題意識を持っていました。

積水ハウス株式会社 常務執行役員 コミュニケーションデザイン部長 足立 紀生氏
積水ハウス株式会社 常務執行役員 コミュニケーションデザイン部長 足立 紀生氏

 自分の好きを追求される方と相性が良いはずですが、私たちの家づくりの特長をまだまだ伝えられておらず、気づいていただけない。その現状を変えるためには、マス広告を展開するだけでは不十分だと考えていました。

酒井:クラシコムさんは「北欧、暮らしの道具店」などを通して、「フィットする暮らし」を実現するためのコンテンツを展開しています。また、ロイヤルカスタマーが多く、“熱のあるコミュニケーション”を得意としています。「一緒に何かできたら、素敵な取り組みになるのでは」と思い、2022年にお声がけしました。

「感性を大切に」共通する価値観

――コンテンツの方向性は、どのように決めていったのですか。

酒井:まず、高山さんに茨城県古河市にある当社のTLM(体験型展示場Tomorrow's Life Museum)にお越しいただき、当社について知ってもらうことから始めました。そして、両社の共通点や共感できるところについて話し合いました。すると、初日から「価値観が合うな」という感覚がありました。特に、「一人ひとりの“感性”を大切にして、それを形にすることで豊かな暮らしをつくる」という考え方が共通していると感じました。

積水ハウス株式会社 コミュニケーションデザイン部 CXデザイン室/ブランドエンゲージメントブループ グループリーダー 酒井 恵美子氏
積水ハウス株式会社 コミュニケーションデザイン部 CXデザイン室/ブランドエンゲージメントブループ グループリーダー 酒井 恵美子氏

 そういった話し合いを経て、コンテンツを提案してもらいました。自分らしい暮らしをしている様々な人たちのインタビュー記事を通して、生活者の「感性」や「好き」をひもといていく、という内容です。

――クラシコムとしては、積水ハウスの魅力や共通する価値観についてどう感じていましたか。

高山(クラシコム):最初にお話ししたときに、非常に印象的なキーワードがありました。酒井さんのお話にもあった「感性を大切にする」という点です。家というハードだけでなく、その中の暮らしを彩るために、お客様の感性を重視するという方向性に共感しました。

株式会社クラシコム 事業開発部 執行役員 高山 達哉氏
株式会社クラシコム 事業開発部 執行役員 高山 達哉氏

 当社は多くの企業とコラボレーションしていますが、常に心掛けているのは、オーセンティシティ(本物であること)を高めるお手伝いをすることです。

 生活者は大手企業に対して、「規模が大きいから、画一的で無難なものしか作らないのではないか」というバイアスを無意識にかけてしまいがちです。しかし実際は、規模が大きいからこそ実現できる品質と、一人ひとりに向き合う細やかな感性が共存しています。

 積水ハウスさんについても、私たちは第三者の視点から、そのバイアスを外し、「嘘のない本物の姿」を可視化するお手伝いをしたかったのです。

次のページ
佐藤店長の家づくりを動画コンテンツに

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
業界キーパーソンと探る 注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

加納 由希絵(カノウ ユキエ)

フリーランスのライター、校正者。

地方紙の経済記者、ビジネス系ニュースサイトの記者・編集者を経て独立。主な領域はビジネス系。特に関心があるのは地域ビジネス、まちづくりなど。著書に『奇跡は段ボールの中に ~岐阜・柳ケ瀬で生まれたゆるキャラ「やなな」の物語~』(中部経済新聞社×ZENSHIN)がある。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/01/15 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50250

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング