SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド

アクセス解析ベンダーに質問するべき、15の項目


 前回の絞り込みで、候補となるツールが1~3つくらいに絞られました。いよいよベンダーとの打ち合わせに入ります。今回は、ベンダーとの打ち合わせの際、聞いておくべき15個の質問を紹介していきます。【バックナンバー】

いよいよベンダーとの打ち合わせ

 前回の絞り込みで、候補となるツールが1~3つくらいに絞られました。いよいよ、ここからはベンダーの営業の方に来ていただき、話を聞く時がやってきました。

 ベンダーとの打ち合わせでは、とにかくこちらから質問を投げかけましょう。先方からの機能説明や導入事例に関しては、資料をもらって端折ってしまってもかまいません。なぜなら、先方が話すことは大体はウェブ上に載っていて事前に把握していることで、自分たちが知りたいことの説明は半分くらいしか出てこないからです。

 今までまとめた要件の実現可否についてはぜひ聞いてみてください。また、それ以外にも、ベンダーに聞くべき15個の質問を用意しました。ベンダーにとっては耳が痛い質問もあります。もちろんすべての質問を聞く必要はありませんし、答えが返ってこない項目もあるかと思います。

 回答の内容も大切ですし、聞くことによってベンダーがどういう反応を見せるかも選定のポイントにするといいでしょう。ちなみに、作った要件表および下記の質問に関しては事前にベンダーに送ることができるのであれば、送っておいてほうがよいでしょう。答えを用意してくれて、効率よく打ち合わせの時間が使える可能性が高いです。

※今回の質問の作成に際して

 Occam's Razor by Avinash Kaushik Web Analytics Tool Selection: 10 Questions to ask Vendors

 上記のサイトを参考に、質問の追加・削除を行い15個の質問を用意いたしました。順不同です。

ベンダーに質問するべき15個の項目(1)

1.無料アクセス解析ツールと比較して優れている点

 ここでは「無料だからサポートがない」とか「無料には裏があってデータが『悪用』されている可能性がある」とか「無料だからあまり力を入れていない」といった無料のネガティブ要素の答えは必要ありません。質問はあくまでも「提供されているツールの優れている点」です。こういった機能がある、こういった便利なレポートの出し方がある、導入の手間がこのように軽減されるといった特徴を教えてもらいましょう。サービスの売りや特徴が分かります。

2.基本のタグでどこまで計測ができるか

 ここでいう基本タグとは「すべてのページに同じタグを入れる場合の基本タグ」を指しています。アクセス解析ツールにもよりますが、タグ設計の難易度と導入工数(コスト)および難易度は比例します。工数を読むためにも、基本タグでできることを把握し、持っているサイトのうちどれくらいが基本タグで対応できるかの見通しを立てましょう。

3.セグメンテーションはどこまで行えるのか

 セッション単位でデータを見ることの意味は薄れてきています。特定のユーザー属性単位や、コンバージョンユーザー単位で、どこまで分析ができるかを確認してみましょう。

 具体的には「1か月以内に特定のバナーを踏んで、セッション関係なくコンバージョンした人数は分かるか」「コンバージョンした人のそれまでのサイトへの訪問回数分布は見られるか」「初回は検索ワードで流入してきて、その後はリファラー無しで流入してきている人の割合が月ごとにどう変化しているのかを見られるか」「会員と非会員を別々にわけて導線分析ができるか」などを聞いてみましょう。

 もしデモを見せてもらえるなら、それらのレポートを見せてもらいましょう。また、あわせて無償・有償の有無を聞いてみましょう。こういった機能は「分析」には必須です。

4.データのエクスポート・インポート手法と制限は?

 サイトの最適化はアクセス解析のデータだけで行うには情報が足りません。アクセス解析ツールからデータを落として社内のシステムに取り込んだり、ページと情報の関連づけを行うためにデータをツールにアップロードしたりすることもあるでしょう。これらを実現するために、データのエクスポートとインポートのことを聞いておく必要があります。

 エクスポートに関しては「ローデータは取得できるのか。その中身はどういう形式になっているか」「データの取得は自動で定期配信できるのか。FTPで落とせるのか」「前日のローデータが欲しい場合はいつまでにそのデータが作成されるのか」「抽出条件を指定してローデータが取得できるのか」「ダウンロードの制限はあるのか」などを聞いてみましょう。

 インポートに関しては「AdwordsやOvertureのデータを取り込むことは可能か」「会員IDをアクセス解析で取得し、その会員IDに紐づく属性をアップロードして性別や年代別ごとのコンバージョンを見たいが可能か」「どういったフォーマットでインポートを行うのか」「過去のデータとの紐付けはどうなるのか」「アップロードの制限はあるのか」などを聞いてみましょう。

 また、それぞれにかかるコストがある場合は、あわせて確認をしておきましょう。

5.どの程度の規模や条件で画面レスポンスが悪くなるか。代替手段はあるか

 機能が豊富に用意されていても、画面上で表示がタイムアウトあるいは1レポートを出すのに5分も待っていたら仕事になりません。もちろん外部要因を中心としたさまざまな原因はあるので、ベンダーの方も答えづらいかとは思いますが、他社の大規模サイトでの導入および運用実績や、参考値を持っているかもしれません。無料トライアルでも検証できますが、ベンダーの考えを聞いておくことは重要です。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
ベンダーに質問するべき15個の項目(2)

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
本気で活用したい人へ!ゼロからわかるアクセス解析導入・運用完全ガイド連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

小川 卓(オガワ タク)

ウェブアナリストとして、マイクロソフト、ウェブマネー、リクルート、サイバーエージェント、アマゾンジャパンで勤務。2015年にフリーランスとなり、UNCOVER TRUTHのCAO(Chief Analytics Officer)に就任。フリーランスでは、コンサルティング、勉強会、執筆などで活躍してい...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2009/07/14 13:03 https://markezine.jp/article/detail/7434

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング