既存顧客の「除外」が新規率10ポイント改善の鍵に
━━実際にHEMを連携したことで、ターゲティングや配信結果にどのような変化を感じていますか?
片山:以前は新規獲得を狙っても、結果的にボリュームゾーンである60代の既存会員にリーチしてしまい、新規率が上がらない状況でした。そこでHEMを活用し、既存のお客様を除外してプロスペクティングを実施したところ、新規率が約10ポイント改善しました。これにより新規獲得の効率が基準を満たす水準となり、さらに予算を投下していこうという流れにつながっています。

片山:加えて驚いたのが、Criteoにおける自社データとのマッチ率の高さです。私の経験上、他社・他媒体と比較しても、マッチ率の高さが秀でていると感じます。この結果を受けて「他の場面にも活用できるのではないか」と考えるようになり、通常のカスタマー配信では届いていない層への除外配信や、購入いただいたお客様の状態に応じたセグメント配信など、HEMを活用した配信設計に取り組む機会が増えてきています。
たとえば、カスタマー配信・プレディクティブ配信に、55歳以上を除外して40代・50代にリーチする配信を加えて運用したところ、3施策の合算でROASを維持したまま売上が約24.6%伸びました。
━━ベルーナは自社データを外部に連携するにあたり、安全性の面ではどのように捉えていますか。
蓮沼:法務にもしっかり相談し、リスクやセキュリティの担保方法を確認した上で進めました。お客様のプライバシーポリシーにおける同意は前提としてありますが、それでも万が一に備えたいという思いがありました。

蓮沼:連携にあたっては、セキュアな環境下でデータを送る仕組みを整え、送信元と受け取り側、双方のセキュリティ体制を確認しました。Criteoはフランスで創業された企業で、GDPR基準に則った運用をされており、セキュリティ意識の高さを評価しています。また、データを一律に送るのではなく、除外したい分・ターゲティングしたいデータに限ることで、リスクバランスを取りながら運用しています。
マーケターだけでセキュリティに詳しくなるのは難しいため、法務・情報システムの担当者と連携し、社内でしっかり議論できれば、こうした課題は乗り越えられると思います。
両社が見据えるデータ活用の「次のフェーズ」
━━最後に、今後の展望をお聞かせください。
片山:まず、レコメンドの精度向上です。商品点数が多いという当社の特性を踏まえ、Criteoがより学習しやすい基盤を改めて見直し、現時点で可能な最大限のレベルまで引き上げていきたいと考えています。
また、クリエイティブの強化にも取り組んでいきたいです。HEMなどのデータ活用により、顧客属性に合わせたセグメント配信はできるようになってきましたが、お客様の状況に応じたクリエイティブや、反応率を高める工夫はまだ十分とは言えません。現状はダイナミック形式が中心のため、今後はクリエイティブのパターンをより広げていきたいと考えています。
蓮沼:これまではCriteoの様々なメニューをどう拡張させるかに取り組んできました。次のフェーズとしては、「どのキャンペーンに注力するか」を明確にし、キャンペーンをしっかり絞り込んでいきたいと考えています。加えて、まだ購入が1〜2回程度の「ライトなお客様」にも安定的にリピートしていただけるような広告配信にも、今後力を入れたいです。
中田:HEMは、単なるCookieの代替ではありません。自社が保有する顧客データを、プライバシーに配慮した形で広告配信やAIによる最適化に活用し、顧客獲得とLTV向上を同時に実現するための基盤として、ぜひ多くの企業様に導入いただきたいと考えています。
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和泉 ゆかり(イズミ ユカリ)
IT企業にてWebマーケティング・人事業務に従事した後、独立。現在はビジネスパーソン向けの媒体で、ライティング・編集を手がける。得意領域は、テクノロジーや広告、働き方など。
※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です
提供:CRITEO株式会社
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