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Web Analytics 2.0
「アクセス解析」を超えるための4つのヒント

4.4. できるだけ早く失敗する(Failing Faster)

 仕事では失敗はしてはいけない。という常識に真っ向から反対のこのキーメッセージは、A/Bテストや多変量テストを実施する際のマインドセット(ものの見方、考え方)についてのもの。

 つまり、例えばA/Bテストを例にとると、直帰率が高かったり、コンバージョンレートが低かったりと言うパフォーマンスの悪いランディングページを早く見つければ見つけるほど、あるいは、たくさんの入力項目がある長い1枚のフォームページと、1ページの入力項目は少ないが複数ページからなるフォームページとで、離脱率の高い、低パフォーマンスのフォームを早く見つければみつけるほど、つまり、早く失敗すればするほど、良いパフォーマンスのページを訪問者に閲覧してもらえるし、次のテストも実施できるという訳だ。

 前述の通り、著者は一章をテストについての記述に宛てているが、その扉の記述がコンセプトを如実に伝えていると思われるので、多少長くなるが以下に引用する。

 Failing Faster: Unleashing the Power of Testing and Experimentation

 できるだけ早く失敗する:テストと実験のパワーを解き放て。

 Welcome to the awesome world of Experimentation and Testing!

 If the Web holds one massive advantage over all other channels, it is in your ability to experiment and fail at a very low cost.

 You can answer questions based on your gut about your site, the cost of products or shipping, or the layout of your landing page, or you can answer them through quick experiments, run live on your site, where customers help you pick winners. Experiments are fast, cheap and scalable. So don't guess; learn to fail faster.

 実験とテストの素敵な世界へようこそ。もしウエブが他のすべてのチャネルに比べて圧倒的な優位性が一つあるとすれば、それはあなたの実験と非常に低いコストで失敗する能力の中にある。

 あなたはあなたのサイトについての本能的な質問に答えることができる。値引きか送料割引か、それともランディングページのレイアウトか?

 あなたはサイトへの訪問者が勝者を決めてくれる、サイトで行われるライブで素早い実験を通じてそれらの質問に答えることができる。実験は早く、安く、スケーラブルだ。だから、推測するのはやめなさい。できるだけ早く失敗することを学ぶのだ。

 現状では、アクセス解析を導入済みの企業は多いが、テストを導入している企業は少ない。ただ、近い将来、テストの価値が広く認知され、より多くの企業がテストに基づくサイト改善を行うようになるものと思う。

 そんな時代が来た時に、著者は次にどんなメッセージを発信してくれるだろうか?

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この記事の著者

木田 和廣(キダ カズヒロ)

株式会社マキシマイズ 執行役員兼プロジェクトマネージャー。早稲田大学政治経済学部卒業。豊田通商の南米駐在員として自動車販売に従事。カーポイント(現カービュー)に転職し広報・マーケティング兼営業としてiモードサイト構築等を担当。その後、海外ダイビング器材のネット販売等を経て、アクセス解析の世界に入る。Webtrend...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2010/04/16 10:00 https://markezine.jp/article/detail/10085

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