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ブランド保護観点から論じるDSPとオーディエンスターゲティング【アドべリフィケーション対談】

インテグラル社とのアドベリフィケーションテストマーケティング

 ── 昨年、大和ハウス工業さんはインテグラル社とテストマーケティングを実施されていいます。どのような効果があったのか教えて頂けませんでしょうか。

 大島:テストマーケティングは次のような条件で実施しました。

条件
  1. 配信先媒体:国内の主要アドエクスチェンジ
  2. 配信対象:日本のIPアドレスからのアクセス者のみ
  3. 第3者配信サーバー:MediaMind
  4. 配信期間:9日間(10月上旬)
  5. 配信imp数:約1,300万インプレッション
  6. 広告原稿:スーパーバナー、レクタングルの2種類
  7. ブランド保護設定:Integralのブランド保護レベル 600,800,1000点の3キャンペーンを同時期に一斉広告掲載

 違法ダウンロードや違法ドラッグ、成人向け、誹謗中傷など、6つのカテゴリーで危険度の高さをポイント制で評価し、国内の主要アドエクスチェンジの分布を明らかにしました。そして、実際にホワイトリスト、ブラックリストと照合し、どうやって配信先をコントロールするかということを検証してみると、悪質なサイトが動画投稿サイトやまとめ系サイトに集中していることがわかりました。

 そのようなサイトのトップ10サイトを除外し、0.4%程漏れてしまうサイト群には大和ハウス工業の広告をはずし、代替の公共広告に差し替えて実施しました。PDCAを回すと悪質なサイトへの配信が600、800、1000、すべてのブランド保護レベルで減少しました。

大和ハウス工業のテストマーケティング結果
大和ハウス工業のテストマーケティング結果
アドベリフィケーションを活用した運用サイクル
cciの「PerformanceX adsafe Package」運用サイクル

 広屋:アドベリフィケーションを活用するとコスト効率の改善につながります。アドネットワークを複数利用すると同じサイトの中に自社の広告が複数掲載されてしまうことがあります。広告主側からすると同じクリエイティブが複数並ぶと非効率ですし、ユーザーから見てもよい印象は受けません。そのような状況をアドベリフィケーションの活用で把握でき、DSPで掲出先から除外するなどで避けることができます。

 ── 最後に今後についての見通しについて教えてください。

 大島:日本における、DSP/オーディエンスデータ環境はまだまだ未成熟で、広告主側も現状をキャッチアップできていない状況と感じます。まずはこの事実への理解が重要です。よくない環境だという点に気づけば改善にもつながると思います。広告主側がこの現状を変えていかないと改善が進んでいないでしょう。

 広屋:マーケターの方々は●●ネットワークでこれだけ使いました、その結果はこうでしたというレポートを、上長に提出されていると思いますが、掲載面の質を吟味する必要もあると思います。またアドベリフィケーションのような取り組みは、どうしても追加コストとして思われがちですが、米国では、3PAS同様に自社ブランドを守るために必要なコストとして理解されています。日本でも、これからその理解が進むのではないでしょうか。

 ブランド構築には、長い時間と莫大なコストがかかります。しかし、信頼を損なうのは一瞬です。アドベリフィケーションはそのリスクからブランドを守るために必要なサービスですし、弊社としてもその普及に貢献していきたいと考えております。

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この記事の著者

松矢 順一(マツヤ ジュンイチ)

株式会社アサツーディ・ケイ クロスコミュニケーション局を経て、伊藤忠商事株式会社情報産業部門でデジタルマーケティングを担当し、株式会社ADKインタラクティブ取締役就任。その後、楽天株式会社メディア事業副事業長を経て株式会社Tube Mogul執行役員就任。著書には共著で『次世代広告コミュニケーション』『トリプルメディアマーケティング』。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2013/05/17 18:30 https://markezine.jp/article/detail/17728

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