テレビCMと連動させるケースが一般化
MZ:併用が増えているということは、企業の予算投下としては安定的という状況でしょうか?
齋藤:そうですね、さすがに成長が著しかったころのパーセンテージで伸びているわけではありませんが、以前と変わらず一定のボリュームは占めています。弊社が調べたところによると、中堅・中小企業でインターネット広告を現在出稿している企業の約4割はヤフーの検索連動型広告の出稿経験があり、そのうち25%が現在出稿中であるという結果が出ています。
MZ:検索連動型広告は、顕在ニーズの獲得という相性の良さから、ダイレクト系の企業の活用から市場が広がりました。最近は、ブランド系の企業の出稿もかなり増えていますが、そうした活用業種の拡大などについてはいかがですか?
齋藤:ダイレクト系企業以外で、すでに現時点で日本の広告宣伝費の上位1,000社の企業にはほぼ使っていただいています。テレビCMの出稿時期と連動するケースも多いですね。
MZ:他のインターネット広告メニューとの併用だけでなく、マス広告との併用も一般化しているのですね。
齋藤:ええ。マス広告では、テレビCMはこの数年で広告費がさほど変化していませんが、紙メディアやチラシ、OOHなどで使われていた広告費が検索連動型広告へ移っているケースもあると思います。
中堅中小企業ではチラシやDMとの併用・移行も
MZ:なるほど。どういう意図で、チラシなどから検索連動型広告へ切り替えているのでしょうか?
齋藤:そうですね、まだ、切り替えよりは併用が多いのは事実です。特に、中堅規模の広告主さまにおいては、チラシやダイレクトメール、電話帳への広告出稿との併用率が比較的高いです。その上で、今後これらの予算をどうするかのアンケートをとったところ、既存のメディアの予算を検索連動型広告へ移行させるという意見が目立ちました。
MZ:その意見は特にどういう企業で多いのか、傾向はありますか?
齋藤:担当者の年齢層に左右されますね。やはり中堅規模の企業で担当者の年齢層が高いと、昔からの慣習で電話帳に出稿し続けているといった場合も少なくないのです。リテラシーの問題は、まだ残っていますね。一方で、担当者の年齢が比較的若いと自分自身にインターネット広告が身近ですし、既存の方法でリーチしづらくなっていることを感じて、ではインターネットへという流れになっています。
MZ:スマートフォンへのシフトが進んでいるのは共通認識だと思いますが、特に検索連動型広告の活用ではどんな変化がありますか?
齋藤:肌身離さず携帯するデバイスなので、よりリアルなユーザーの検索タイミングを捉えられるようになってきています。特にこの3年ほどは、スマートフォンでコンバージョンまで到達するユーザーの割合が右肩上がりになっています。ここに注目しています。