対応すべき課題の優先順位を決める
その上で、ジャーニーの仮説を策定する。先ほど構築したペルソナを念頭に、商品認知から興味関心を持ち、比較検討し、購入して体験、また再購入するまでにどのような態度変容を経るかを書き出していく。「各フェーズにおけるユーザーの気持ちと、次のフェーズへの遷移を阻んでいる問題、そこでどういったコンテンツに接触すれば次のフェーズに移行するかなどを、チームでディスカッションしながらできるだけ具体化していきます」と今井氏。
そして課題を整理し、コンテンツでどの課題を解決するのかを特定して、訴求ポイントの優先順位をつけていく。仮にジャーニーを認知、興味関心、比較検討〜購入、再購入の4段階に分けると、別のマーケティング施策の進捗状況や、現状のコンテンツで解決することが困難な部分も見えてくる。そうした段階は除外した上で、今回フォーカスする課題を抽出していく。
「たとえば興味関心の段階で、ウェブサイトへのアクセスキーワードに商品特徴のキーワードが含まれていなかったら、商品の優位性を訴求できていないとわかります。また、せっかく来ている人の購入率(CVR)が悪かったら、購買の決め手に欠けることが推測できます。そこで、興味関心と比較検討〜購入の段階の態度変容に焦点を当て、まずミキサーのある生活を具体的に描きながら自社商品への関心につなげ、そのメリットを知ってもらって購入へ……という優先順位で訴求のポイントを決定しました」(今井氏)。
概要から記事構成まで詳細に企画書化
ここまできたら、実際のコンテンツの企画に落とし込んでいく。記事の連載・単発、動画といった企画のタイプから、想定タイトルと1コンテンツあたりのボリューム(情報量)、ターゲットまで明確にする。ポイントは、記事に含めるキーワード軸と、読了率や商品ページへの遷移といった評価指標までを、この時点で決めておくことだ。この2点によって、しっかりとユーザーニーズに応えて狙い通りの流入を実現し、またゴールを見据えながら制作を進めて事後の検証もできるようになる。
上記の項目に加えて、今井氏のチームではさらに記事中の小見出しや起承転結を詳細に記した構成まで立てているという。これらをすべて1枚のシートにまとめておく。
「導入に用いる内容、読後感といったコンテンツ接触後に残す印象、事実情報をどこまで網羅するのか……といった細かい部分まで見通すようにしています。実制作に取りかかる前にこれだけ可視化しておくと、現場の意識統一が図れます」。
ただ、この1枚をまとめるには、ユーザーニーズを詳しく調査する必要がある。それが続いて紹介された、以下のコンテンツ制作の4ステップだ。
・STEP1 ユーザーの検索行動から得たい情報の把握
・STEP2 展開可能な情報をフィルタリング
・STEP3 上位化されているウェブサイトから情報の共通項を見つける
・STEP4 ユーザーが満足する掘り下げ方とストーリーを検討