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日本郵便×早稲田大恩藏ゼミ産学連携プロジェクト 「なぜデジタル×アナログが効くのか」を探る3つの実験

紙に「温かみ」を感じるデジタルネイティブ層

 実験2では、いよいよ「なぜ紙が効果をもたらすのか?」という本質に迫った。ABCの各グループに行ったアンケートで、受け取ったクーポンに対し「温かみを感じるか」「労力がかけられていると感じるか」といった観点から質問を行った。

 温かみという点については、一見、紙とデジタルで大きな違いは確認できなかった。しかし、結果を年代別に見ていくと、30代以下のデジタルネイティブ層が突出して紙に温かみを感じていることが判明。

 別の質問からは、紙について「労力がかかっていると感じる」と回答した人が、紙を総合的に高く評価していたことが明らかになった。恩藏教授は、この理由について、IKEA効果というメカニズムを引き合いに、次のように解説した。

 「家具ブランドのIKEAで商品を購入すると、自分で組み立てなければいけませんよね。自ら労力を注いだ対象に対して消費者は愛着を感じるということが研究で証明されています。このIKEA効果は、特に若い世代で多く見られるメカニズムです」(恩藏教授)

デジタルでのアプローチ ロイヤリティの高い顧客には要注意

 実験3では、ユーザーを「紙→デジタル」「デジタル→デジタル」のクーポン送付順序と購入金額でグループ分けし、レスポンスの違いを比較した。

 注目されたのは、デジタルに対する反応だ。グラフを確認すると、ユーザーのロイヤリティが高いときに、デジタル(E)における全項目の数値が低くなっていることがわかる。

 一方で、紙に対してはそのような動きが見られない。つまり、上位顧客にデジタルのアプローチを繰り返すと、「またこんなものが送られてきた」「私は企業にとって特別で、上位のお客であるはずなのに」というネガティブな印象を与えかねないことが、この結果から想像できる。

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この記事の著者

渡辺 佳奈(編集部)(ワタナベ カナ)

1991年生まれ。慶應義塾大学環境情報学部を2013年に卒業後、翔泳社に新卒として入社。約5年間、Webメディアの広告営業に従事したのち退職。故郷である神戸に戻り、コーヒーショップで働く傍らライターとして活動。2021年に翔泳社へ再入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2019/10/18 16:13 https://markezine.jp/article/detail/30695

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