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私たちMarkeZineは本当の読者の姿が見えているのか?「顧客起点マーケティング」を実践してみた

顧客ピラミッドの推計実数を出す方法

西口:で、悩みどころは、要は“マーケター向けメディア”というニッチなプロダクトだから、顧客ピラミッドの全貌がつかめない、ということですよね?

安成:そうですね。計算の仕方がいまいちわからず……。書籍のスマートニュースの事例で出されているような「〇万人」といった推定の実数にまでまだ落とし込めていないんです。

西口:ターゲット母数が何人いて、現状でそのうち何人がロイヤル顧客なのか、はたまたMarkeZineの読者になり得るのに「認知・未使用(未読)」であったり「未認知」の人が推定で何人いるのか、がわからないんですよね?

 これを把握するのが、総務省の人口統計を利用する方法です。今回の調査で20~60代男女4,016人のうち327人が「MarkeZineの読者に“なりうる層”」だったのだから、その出現率は、

327÷4,016=0.0814

 つまり8.1%になります。

 そして、総務省の人口推計で20~60代男女をみると、今年3月1日時点の確定値で7,840.4万人。ざっくり7,900万人として計算すると、

327÷4,016x7,900(万人)=643.25(万人)

 つまり643万人が、MarkeZineで狙うマーケットの母数、ということになります。先ほどおっしゃった「2つの条件にあてはまる人」の、日本全国における推定人数ですね。

 ちなみに「定期的に読んでいる人」がターゲット層全体の25.4%、だったとのことで、これを顧客ピラミッドにあてはめると、

643(万人)x0.254=163.3(万人)

 が、MarkeZineの「ロイヤル顧客」になりますね。

 このあたりは、手を動かさないとなかなかつかめないのですが、縦書きの書籍で解説するには限界があったので、書籍特典のExcelシートに計算式入りで収録したんです。

書籍特典:顧客ピラミッドの推計実数を算出するExcelシート
計算式入りで、調査の数値を入力すれば推計実数が算出できる
総務省の人口推計は、こちらのサイトで月単位、また年単位で公表されている。本文中の「20~60代男女は7840.4万人」は、上記サイト内の「平成31年3月確定値」の数値を参照し、20~69歳の人口を総計したもの。

ネット調査と内部のユーザーデータの併用

安成:なるほど。そうやって各層の推定人数を出していくと、顧客ピラミッドを作成できるんですね。以前から社内的に顧客分析ツールを入れていて、それを使えば会員数や訪問頻度はわかるのですが、認知・未使用や未認知顧客までわかる外部のネット調査とうまく併用する方法はありますか?

西口:内部データは、当然ながら「一度でも接触があった人」の状況しかわからないので、新規獲得を含めた顧客分析とマーケティングをするには不十分です。ただ、検証には活かせます。ネット調査はあくまで外部の調査ですが、内部データは「実数」であり「実態」なので、たとえばネット調査を元に算出したロイヤル顧客数が内部データのロイヤル顧客数より大幅に少なかったら、多分スクリーニングをもっと広く取らないといけないでしょうし、逆に多かったら狭めないといけないと思います。

 内部で把握しているユーザーさんたちに、改めて属性を聞いてみるといいんじゃないでしょうか? それで、その方々が8割くらい含まれるようなスクリーニング調査を設計すればいい。

安成:たしかに、そうするともっと実態に即した顧客ピラミッドが作成できますね。では、ターゲットの年代と属性をどう設定するのか、内部データを活用して実態を把握してから改めて議論してみたいと思います。その上で、今回の調査でつまずいたポイントを見直し、再度ネット調査をかけてみます。平行して、N1インタビューや、MarkeZineの独自性と便益の洗い出し、さらにコンテンツ開発への活用にも挑戦していきます。

西口:順を追ってやるのもいいですが、N1インタビューや独自性・便益の洗い出しは顧客ピラミッドの作成前でもできますよ! 編集部の皆さんが日々、取材相手として読者候補の方々と接しているのは有利だと思いますし、できるところから取り入れていくといいですね。

安成:ありがとうございます。これまで培ってきたMarkeZineの独自性を活かしつつ、新しいMarkeZineの魅力も明示していけるように、がんばります!

実践 顧客起点マーケティング

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たった一人の分析から事業は成長する 実践 顧客起点マーケティング

著者:西口一希
発売日:2019年4月8日(月)
価格:本体2,000円+税

本書について

たった一人の“N1”を分析する「顧客起点マーケティング」から未購買顧客を顧客化、さらにロイヤル顧客化する「アイデア」をつかむ――本書では、著者の西口一希氏が確立したフレームワークの理論と実践を全公開している。

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この記事の著者

高島 知子(タカシマ トモコ)

 フリー編集者・ライター。主にビジネス系で活動(仕事をWEBにまとめています、詳細はこちらから)。関心領域は企業のコミュニケーション活動、個人の働き方など。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

安成 蓉子(編集部)(ヤスナリ ヨウコ)

MarkeZine編集部 編集長 1985年山口県生まれ。慶應義塾大学文学部卒業。専門商社で営業を経験し、2012年株式会社翔泳社に入社。マーケティング専門メディア『MarkeZine』の編集・企画・運営に携わる。2016年、定期誌『MarkeZine』を創刊し、サブスクリプション事業を開始。編集業務と並行して、デジタル時代に適した出版社・ウェブメディアの新ビジネスモデル構築に取り組んでいる。2019年4月、編集長就任。プライベートでは2児...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2019/09/09 07:00 https://markezine.jp/article/detail/31856

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