シャトレーゼは丁寧なコミュニケーションを徹底
岩井:まずはそれぞれ簡単に自己紹介させていただければと思います。私は東京の企業で働いた後、2014年にシャトレーゼ(本社は山梨県)に入社しました。シャトレーゼは、国内に約520店舗、海外に約60店舗を展開しています。郊外型の店舗が多く、会社としてデジタルの取り組みはこれからといったところです。
洞田貫:森ビルの洞田貫です。森アーツセンターギャラリーや六本木ヒルズ展望台の企画・運営・広報などを経て、現在は森美術館のマーケティングを担当しています。
安倍:私はロクシタンジャポンに2011年に入社しまして、マーケティング本部に所属しています。EC、CS、CSRの他、コミュニケーションイノベーションプロジェクトを担当しています。LINEの公式アカウントを2013年に立ち上げまして、今は2,100万人以上のファンを獲得し、集客のキーとなっています。
岩井:まず伺いたいのは、皆さんのSNS運用体制です。シャトレーゼのことからお話させていただきますと、私の販促企画課では、TwitterとInstagramを運営しています。私が管轄する形で、メイン担当1名とサブ担当1名の2名の運用担当者がいます。ただし、うちの部署ではチラシや売り場の販促物などの制作・ディレクション、進行管理などを主業務としていて、SNSの担当者はそれらを兼務する形でやっています。また、商品アイテム数が400〜500点と多く、全部を把握するのは難しいため、商品紹介についてはマーチャンダイジングを行う売場企画部にも協力してもらっています。
運用担当している2人はそれまでSNS関連の仕事はしていませんでした。そこでまずは「1日最低10投稿」といったような、とりあえずSNSに慣れるところからはじめました。神がかったTwitter運用をされる企業さんもありますが、それは担当者の能力にすごく左右されてしまいます。ですので、うちでは誰でもできるような「コメントがあったらなるべく返信する」「質の高いユーザー投稿には『いいね』やリツイートで反応する」といった、丁寧なコミュニケーションを徹底しています。
森美術館ではSNSが来場のきっかけに、ロクシタンではLINEを集客に活用
洞田貫:SNSの担当は、どこも人手不足で兼務になりがちですよね。弊館もSNS運用に関しては、基本的に運用担当は私のみで、補佐で1人、クリエイティブの準備や、Twitterの予約投稿などを手伝ってもらっています。SNSの運用は動員企画などのプロモーション企画の一部として戦略的にやっています。
弊館には来場者のアンケートシステムがありまして、その都度開催されている展覧会の来場者に対して、来場動機などをお尋ねてしていますが、直近の「塩田千春展:魂がふるえる」を例にとっても、全体の70%以上がインターネット経由で、そのうちの大半がSNS経由の情報、という結果が出ています。それだけの効果があることはわかっているので、引き続きSNSに力を入れていこうと思っています。
安倍:ロクシタンジャポンでは、Twitter、Instagram、Facebookの3つを担当しているのが1人、LINEの担当が1人となっています。我々の中で集客メディアとして大きいのがLINEでして、こちらに関しては細かい運用フローがあります。まずはマーチャンダイジングの企画ミーティングを実施し、その後社内でクリエイティブを作成、マネージャーなどにクリエイティブレビューを行ってからの情報発信となります。しかし、在庫状況などを見て、フレキシブルに内容調整できる体制ではあります。
岩井:ありがとうございます。では、次は気になるKPIについて。