DMPとMAを活用し、個の可視化を進める
体制構築にあたっては、ブレインパッドのレコメンドエンジンを搭載したプライベートDMP「Rtoaster(アールトースタ)」と、BtoC向けマーケティングオートメーションである「Probance(プロバンス)」を導入。企画や編集、運営メンバーが提供するメールマガジンやLP、画像などを、ユーザーの嗜好性に合わせて出し分けられるようにした。現在は、ユーザーの嗜好性に合わせてコンテンツ自体をパーソナライズし、ユーザーごとにマッチングができるようPDCAを回しているという。
「力を入れているのは、ユーザー反応の可視化です。これまではコンテンツのPVを見ていましたが、コンテンツを見たユーザーの反応にフォーカスするようにしました。こうしたデータを企画や編集、運営メンバーにフィードバックすることで、ユーザーを『個』として理解するように務めてもらっています」(柴田氏)
ユーザー反応を可視化することで、「誰にどのような提案をするか」といった次の施策が見えてくる。その際には、店舗での接客経験のノウハウを活かすこともできる。現在は、マスマーケティングで培ったノウハウを言語化し、ユーザーログと組み合わせて、ユーザーをセグメント化し、企画編集運営のPDCAに活用することで、ユーザーニーズに応える商品・企画の提供を実施しているという。
柴田氏が今後の展望として語るのは、ECサイト店舗との連携だ。EC側で収集したユーザーの嗜好性データと店舗側の購入ログなどを掛け合わせて分析し、その結果を店舗にフィードバックする。そして店舗側のデータをECに戻すことで、“実効性のある”オムニチャネルが実現するのだ。
柴田氏は「まずは、データに基づいたマーケティングができるチームを構築すること。そしてその先にあるのがECサイトと店舗との連携です」と、発展の可能性を語り、セッションを締めくくった。