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インモラルな“デジマ”から脱却せよ

オウンドメディアで「信頼」は作れるか? やってはいけない3つのタブーから、あるべき方向性を考える

 ユーザーが望まない行き過ぎたデジマ施策からの脱却の道筋を、利他主義・公益資本主義の考え方に則って独自のマーケティング施策を実践してきたLIFULL 菅野氏が具体的に共有する本連載。第3回目となる今回は、オウンドメディアの真価について、事例をもとに深掘りする。

オウンドメディアでやっていまいがちな失敗

 嘘やごまかしが見破られる時代、コツコツと信頼関係の素地を作ることがマーケティングには求められている。信頼関係を作る手段は様々だが、その中でも重要な役割を果たすものがオウンドメディアだ。今回は、オウンドメディアでやってしまいがちな、信頼獲得に不向きな3つの手法を踏まえ、あるべきオウンドメディアの方向性について探る。

 なお、オウンドメディアの形は様々だが、ここでは「本業」が別に存在していて、それを認知や流入獲得等の側面でアシストする役割としてのオウンドメディアを想定する。

1つめのタブー:第三者性の欠如

 最初に挙げる例は、「利用者の口コミ満足度99%!」と謳った広告を出稿し、自社サイトに誘導して、利用者の口コミを綺麗に編集して見せるというようなもの。通販や有人サービス系の業種では特によく見かける。

 一見、信頼獲得装置としてオウンドメディアが機能しているかに見える。しかし、私には何かが引っかかり、こういったコミュニケーションで心からそれ(商品やサービス)を信頼することはない。仮に100%嘘がなくても、自社プロモ×自社サイトで実施している時点で、「どうせいい口コミだけ選別したり編集してるでしょ?」と、うがった見方をしてしまうのだ。

 これは、信頼に足る理由として、「第三者性」が重要であることを示唆している。「口コミ満足度99%!」を謳う際、それをオウンドメディア内の閉ざされた世界で完結させるのではなく、例えばGoogle Mapsの口コミやTwitter等の開けた世界と地続きになるように、「第三者性」を意識して設計する勇気が必要になるのだと思う。

 自社を選んでもらうために、「オウンドメディアに口コミを掲載する」ということ。それ自体は今も昔も有効な手段であることに変わりはない。しかし時代とともに変わる口コミの存在意義をよくよく考えなければ、逆に信頼を落とすことにもつながりかねず、注意が必要だ。口コミ自体がコンテンツである場合に限らず、オウンドメディアにおいて、コンテンツ内に第三者性の要素を加えることは、信頼関係を作るために必要なファクターと言えそうだ。

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この記事の著者

菅野 勇太(スガノ ユウタ)

株式会社LIFULL/百様株式会社
2008年に株式会社ネクスト(現・株式会社LIFULL)入社。以来『LIFULL HOME'S』のBtoCマーケティングに従事。2012年に日本国内初の事例となるマーケティングオートメーション導入を主導。2016年にはYahoo!APIを直接連携したオンライン広告の全社インハウス化を実施。現在はリアル店舗『住まいの窓口』を中心としたオムニチャネル戦略およびCRM戦略を統括。宅地建物取引...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2020/09/09 08:00 https://markezine.jp/article/detail/34241

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