放映開始から2週間、見えてきた傾向とは?
――具体的にどのように運用を行ったか教えてください。
三浦:今回は、関西、静岡、北海道の3つのエリアで、“コの字型”に放映しました。クリエイティブはお客様にスパイダープラスについて語っていただくもので、エリアごとに8パターン程度を作成し、 クリエイティブ×放送時間帯のかけ合わせで効果を見ていきました。
三浦:テレビCM放映中は、効果分析ツール「ノバセルアナリティクス」を頻繁にチェックしていました。「ノバセルアナリティクス」は、クリエイティブ・放映番組ごとにCVをリアルタイムで計測してくれます。朝起きてから約1時間おきに確認していましたね。外出先でもスマホで見られるのも良いところです。
並行してWebサイト経由でいただいたお問い合わせについて、前月、前週、前日比での数の推移を追うことに加え、私たちがターゲットとしている顧客層かどうかも見ていました。定性データを集めるために、営業部門には提案や商談時に顧客のテレビCM視聴の有無を毎日ヒアリングしてもらいました。
――テレビCM放映を通じてどのような気づきがありましたか。
三浦:デジタルプロモーションだけではコンタクトが取れなかった企業から継続してお問い合わせがくるようになり、テレビCMの有効性を実感しました。
そして放映開始から2週間ほど経過すると、まず反応の良いクリエイティブが絞り込めてきました。続いて「クリエイティブの違い以上に、時間という変数が大きく影響しているのではないか」という仮説が浮かび上がりました。特定の曜日においてパフォーマンスが出なくなるということが見えてきたのです。そこから同曜日、同時間帯においてクリエイティブの比較を行うことで、プロダクトの優位性をどのように伝えると効果が高いのか、傾向が掴めてきました。
――数値を見ながら運用することで、改善が進んでいったのですね。お客様の反応はいかがでしたか。
三浦:営業時には、必ずと言っていいほど「テレビCMを見たよ」と言っていただけるようになりました。さらに、ご出演いただいたお客様のもとに、「スパイダープラスについて教えてほしい」と複数のお問い合わせが入っていたこともありました。建設業界の方々は「まずは使っている人に話を聞きたい」という気持ちを強くもっていること、業界内のネットワーク効果を感じました。
――データからは見えないお客様の反応が、興味深いですね。田部さんは、スパイダープラスさんの運用に、どのようなポイントがあると思いますか。
田部:定量と定性の両方のデータを分析し、仮説を立てているのが重要な点です。さらに三浦さんは、営業ヒアリングなどを通して、立てた仮説の検証も実行されています。事象の背景やお客様の行動を知るためには、定性的な動きを把握することも欠かせません。ここまでやって初めて、テレビCMを検証していると言えるのではないでしょうか。
スピーディな検証が、経営層や営業を巻き込む力に
――今回ノバセルを活用した検証で得られた効果を教えてください。
三浦:意思決定のスピードが速くなったのが一番です。ノバセルがあると、放送日時枠が共有しやすく、経営層や営業も関心を持ってテレビCMを見てくれます。すると、「反応はどうだった?」と意識が高まりますし、すぐに数値も出ているため、次の施策が実感をともって話せるようになりました。「昨日の○○番組の枠は、効果が良かった」「あの時間帯は見られないようだね」といった会話が、経営層の間で自然と生まれていました。
そして実は放映終了直後に次のテレビCM出稿の内定が出ており、2021年2月5日の放映開始に向け、準備に取り掛かっていました。本来ならテレビCMの効果に関する議論は数ヵ月は必要なところで、ノバセルのスピード感がなければ、このような動き方はできなかったと思います。
――テレビCMが会社全体の関心事となり、次のアクションにつながったのですね。
三浦:はい。テレビCM放送中の反応を見ながら営業部と一緒に営業施策も作れるようにもなりました。ノバセルアナリティクスの反応と、お問い合わせの数がそこまで比例していない事象もあり、「それはなぜか?」を考えて営業施策を設計した結果から、次回テレビCMにおいてリード数をさらに増やせそうな施策を準備できています。あわせて、営業のトークシナリオも更新し、外部パートナーによるテレアポや販売取次店様へ向けた営業支援体制の強化もできています。