SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

定期誌『MarkeZine』特集

BtoBマーケティングは戦術不在のDXから脱却できるか

COVID-19が推進するマーケティングDX

 「あなたの会社でDXを最も推進している人は誰ですか?」これは2020年に米国で流行ったプレゼンテーションの「つかみネタ」です(図表1)

 図表1 2020年に米国で流行したプレゼンテーションの「つかみネタ」
図表1 2020年に米国で流行したプレゼンテーションの「つかみネタ」

 答えは「CEOでもCTOでもCMOでもなく、COVID-19だ」というものですが、私は的を射ていると考えています。日本のBtoBマーケティングがここまで世界から遅れた理由は「必要なかった」からです。

 戦後20年以上も続いた1ドル360円の為替レートなどにより、日本は世界有数の経済大国になりました。しかし、これらのアドバンテージを失った後は、ホワイトカラーの生産性の低さや意思決定の遅さなどの弱点が目立つようになり、停滞期に入ってしまいました。そんな中で日本の弱点を克服する特効薬として期待されたのがDXです。2019年に日本企業の中期経営計画の中に最も多く入っている単語がこのDXだと言われたほどです。デジタルを活用して企業を変革する、という戦略は正しかったのですが、「How」つまり戦術が不十分でした。戦術がともなわない戦略は「絵に描いた餅」です。多くの企業のDXはまさにこれでした。

 そこに突然パンデミックがやってきて、誰も経験したことのない状況が世界を覆いました。しかしその中で生きていかなければなりません。そのために必要不可欠なことはデジタルの活用でした。遅々として進まなかったDXに突然強い追い風が吹いたのです。

企業全体のナレッジ引き上げが必要

 ここまでお話ししてきた内容をまとめましょう。多様化した手法の中から自社に最適なマーケティングを設計し、マーケティング部門を孤立させず、新型コロナによる追い風を受けて一気にDXを実現するには、企業全体のナレッジ、つまりマーケティング偏差値を引き上げることです。マーケティング部門だけがマーケティングを理解していても、その知見を活かすことはできません。全体のナレッジレベルを上げて体質を変革できた企業だけが5年後に存在している気がしています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
関連リンク
定期誌『MarkeZine』特集連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

庭山 一郎(ニワヤマ イチロウ)

シンフォニーマーケティング株式会社 代表取締役
1962年生まれ、中央大学卒。1990年9月にシンフォニーマーケティングを設立。データベースマーケティングのコンサルティング、インターネット事業など数多くのマーケティングプロジェクトを手がける。1997年よりBtoBにフォーカスした日本初のマーケティングアウトソーシング...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2021/02/26 17:50 https://markezine.jp/article/detail/35315

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング