※本記事は、2021年1月25日刊行の定期誌『MarkeZine』61号に掲載したものです。
ヘルスケア市場のアウトカムとは
ヘルスケア市場で「アウトカム」の重要度が高まっている。アウトカムとは、アウトプット(過程の成果物)と違い、インプットの結果として最終的に得られた成果のことである。アウトカムを説明する際には、「ドリルを買いに来た人が欲しいのは、ドリルではなく穴である」という有名な格言が引用されることが多い。改めて、ヘルスケア市場のアウトカムとは「生活者の健康」への貢献である。
当たり前のことに感じる方もいるかもしれないが、生活者に商品やサービスを提供する過程ではなく、最終的な生活者の健康への貢献を起点とした考え方にシフトすることが、これからのヘルスケアビジネスの成功、ひいては、持続的で健康な社会の実現に向けた大きなカギとなっている。本稿では、ヘルスケア市場におけるアウトカム(生活者の健康)・シフトの現状と未来を構造的に捉えていく。