マーケターによるマインド/スキルセットの転換が成功の鍵
また、ヘッドレスCMSの実装で「コンテンツの生成・管理」と「フロントサイドへの表現」を分けることができるのも魅力的だ。モバイルアプリやWEBアプリなどとAPIで連携し、ネイティブに動作させることが可能になると、表現方法や表示速度など顧客体験に直結する部分までコントロールしやすくなる。
あえて細かい機能を伝えたのは、CXMがツールの導入やシステム構築で終わるものではなく、顧客体験を作るマーケターのマインドセットとスキルセットの転換を必要とするからだ。顧客を理解し、コンテンツを通じてストーリーや体験を届けることをマーケターがスピーディーに行うには、単純作業や外部委託による時間の無駄をなくし、チーム一丸となって膨大な量のコンテンツを管理・評価することが成功の秘訣となる。
1st Party データを活用しながらリアルタイムにコミュニケーションをしていくには、クリエイティブとコンテンツを民主化し、多くの従業員がそれを活用できるようにしなければならないのだ。
Pelotonでは「傾聴」が企業カルチャーに
「Peloton(ペロトン)」は、コネクテッド・フィットネスという新しいカテゴリーのビジネスだ。ここ数年、ビジネスの話題の中心に君臨しているので読者の皆様も色々な情報を持っていると思うが、単に「エクササイズバイク×WEBトレーニング」のサブスクビジネスのパイオニアというだけではなく、顧客を中心としたDXのパイオニアでもある。
顧客体験と従業員体験をどのように企業カルチャーとしているのかを、SVP Head of Global Marketing and Communicationsを務めるダラ・トレセダー氏が情熱的に語ってくれた。
Pelotonには、顧客の生活を向上させることに重点を置き、従業員全員が「メンバーのためになることは何か」と尋ねることができるような素晴らしい文化があるという。それは、顧客の声に耳を傾けて「顧客が私たちに何を求めているのか」「どうすれば顧客の生活を改善できるのか」「どうすれば顧客の人生をより良いものにできるのか」を聞き、顧客の意見を行動指針としているということだ。
顧客は誰でもコミュニティのタグを作ることができるので、共通の悩みを聞くことができる。たとえば「#ペロトン・ママ」「#ペロトン・ワーキング・ママ」「#ペロトン・ベテランのブラック・ガール・マジック」などのコミュニティだ。