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第83号(2022年11月号)
特集「Web3、メタバース、NFT ── 最新技術が マーケティングに及ぼす影響」

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メタバースビッグバン、次々に生まれる世界をどう活用すべきか?

マーケティング活用から考えるメタバース、7つの構成レイヤーと米国3大プラットフォーム事例

 メタバースをマーケティングに活用するという目的のもと、客観的・体系的に分析する本連載。第1回はメタバースを取り巻く経済圏・メタバースを構成する7つの要素と、VRゴーグルを使わない、“今”マーケティングに使えるメタバースの米国事例を紹介します。

メタバースを構成する7つのレイヤー

 メタバースは、138億年ぶりのビッグバンである――こう言うと、「大げさだ」「一過性のブームだろう」と考える方もまだ多いだろう。

 しかし既に世界のメタバース市場規模は、2021年に626億ドル※に達している。2022年のIT市場が4.5兆ドルと予想されていることを考えると、決して少なくない数字だ。

 メタバースはビッグバンにたとえられるほど大きなニュースであり、新しい世界の誕生であると信じてこの連載をお届けする。

※2022年4月のカナダの調査会社EMERGEN RESARCH社の発表によると、2021年の世界のメタバース市場規模は、626億ドル、2028年には1兆ドル(100兆円)に達すると予想されている。Gartner社が予想する2022年の世界のIT市場が、4.5兆ドルであることを鑑みると急速に拡大していく見込みだ。

 今回の記事連載では、この急速に拡大するメタバースをマーケティングに活用するという目的のもと、客観的・体系的に分析したい。

 よってメタバースの歴史については、既に多数出版されている良著に任せることにする。例えばどういったものがメタバースなのか、といった広義の条件については、国内のメタバース企業の中でも成長を続けているクラスター社CEO加藤 直人氏の著書『メタバース さよならアトムの時代』にまとめられているので、ぜひご参照いただきたい。

 また、海外、国内のメタバースがなぜ成長してきているかについては、メタバースの成長要因をブロックチェーン、NFT、5G通信ネットワーク発達にあるとした私のBlog(記事1記事2)もご参照いただきたい。

 メタバースは、その何たるかについて今様々な見方や表現がなされているが、ここでは、マーケティング領域とそれ以外が最も明確に表現されている、起業家のJon Radoff氏の説明を取り上げる。同氏は、2021年4月にメタバースバリューチェーンと題してメタバースを取り巻く経済圏や、その構成要素を表現している。メタバースバリューチェーンの構成要素は以下の7つが挙げられる。

The Metaverse Value-Chain
The Metaverse Value-Chain
Experience(体験)

 まず、Experienceは、海外・国内でいわゆるメタバースを体験できる場所であり、人気ゲームの「Fortnite」や「Roblox」、日本で言うと「あつまれ どうぶつの森」といった接点のレイヤーである。一般的な消費者が接する部分であり、一般的にメタバースって何?という質問を受けた際に直感的に頭に浮かぶ部分と言っていい。

Discovery(発見)

 次にDiscoveryは、仮想空間を体験している中で新しい発見をもたらすレイヤーだ。リアルタイムで様々な風景を見たり、チャット、音声でコミュニケーションしたり、メタバース内のコミュニティ主導のコンテンツを共有したり、他のプレイヤーのレビュー、さらに仮想空間内で表現される広告、OOHや、ディスプレイ広告等もこの発見というレイヤーに属する。

Creator Economy(クリエイターエコノミー)

 Creator Economyは、メタバース上で各プレイヤーが生み出す経済的価値である。過去のCreator Economyは、ゲームの開発者やサービス提供側だけが収益を得られる場所であったが、このメタバースでは、元のメタバース開発者も、後から参加しているプレイヤーもクリエイターになることができ、収益を得られる仕組みとなっている。

Spatial Computing(空間コンピューティング)

 Spatial Computingは、空間を作るための仕組み、エンジンなどである。今のメタバースだとUnityやUnreal等の3Dエンジンがこの空間を作っている。この空間自体を作り上げているシステムも一つのレイヤーだ。

Decentralization(地方分権化・非中央集権)

 Decentralizationは、メタバースを構成するシステムがスケーラブルな分散型コンピューティング上に構築され、さらにその上にブロックチェーン、NFTといった、こちらも分散型の金融システムが成り立っているレイヤーだ。

Human Interface(ヒューマンインターフェース)

 Human Interfaceは、メタバースに参加するデバイス、つまりスマホやPC、VRゴーグルなどのことである。デバイスの製造元もメタバースを支えるレイヤーだ。

Infrastructure(インフラ)

 最後にInfrastructureだが、メタバースはクラウド環境上に構築されている。このシステムインフラや、通信ネットワーク、特にスマホの場合は5Gの発展もレイヤーを支えている構成要素の一つだ。

 以上、7つがメタバースを取り巻き、メタバースが成長することで経済的価値の恩恵を受けられる、または収益を得られるバリューチェーンとして成立している。

 メタバースが単なるSNSの延長だという声もある。しかし、Experience(体験)、とDiscovery(発見)、さらに開発元、開発者、プレイヤーも恩恵を受けられるCreator Economyを兼ね備えたものが今まで存在しただろうか。これらを兼ね備えた今までにないバリューチェーンは、メタバースの最も重要な特長と言える。

 これらの7つのレイヤーの定義に基づくプレイヤーをまとめたマーケットマップが下図だ。各レイヤーにはマーケティング、IT領域では既にご存知の企業が乱立しており、これらの企業を中心にバリューチェーンは構成されている。

Market Map of the Metaverse
Market Map of the Metaverse

 

 この7つのレイヤーの中の、Human Interfaceに関して、一つだけ違和感を払拭したい。

 メタバースと聞くと、VRゴーグルを装着しないといけないというイメージがあるのではないだろうか? しかし、VRゴーグルは、メタバースのHuman Interfaceとしてマスト条件ではない。PC、スマホからもメタバースにはアクセスできる。

 今回の連載では、VRゴーグルを使わない、“今”マーケティングに使えるメタバースを前提とし、マーケティング領域の中でもデジタルマーケティングで一般的に活用されているメディア(ウェブサイト、デジタル広告、SNS、動画など)と、顧客接点で活用されるデバイス(ハードウェアサービス)、ソフトウェアサービスを使ったプロモーションに注目してメタバースの活用を考えていく。

 では今、マーケティングに使えるメタバースはどんなものか、海外でのマーケティング事例をまず取り上げ、特徴をまとめ、国内でどういったメタバースをマーケティングに利用できるか、整理してみよう。

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この記事の著者

山田 輝明(ヤマダ テルアキ)

NRIネットコム株式会社DSX推進部副部長2009年にNRIネットコムに入社。デジタルマーケティング事業を立ち上げ、特にGoogleアナリティクス、デジタル広告に関するビジネス拡大に注力。2018年にNRIネットコムから一旦退出し、株式会社MeeCapを設立、スタートアップのCEOとして2年半業務を...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/06/15 08:00 https://markezine.jp/article/detail/39154

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