SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

特集:ターゲティングが嫌われる時代のシン・ターゲティング

なぜ「ターゲティング=気持ち悪い」になってしまったのか?進化するアドテクの使い方を考える

 「ターゲティングが嫌われる時代のシン・ターゲティング」をテーマにお送りする今号の特集。このスタートとして、TBWA\HAKUHODOでChief Creative Officerを務める細田高広氏へインタビューした。TBWAの「Disruption(創造的破壊)」の方法論を信じて貫きながら、「広告は幸福産業」とも言う細田氏は、広告を取り巻く現状をどのように見ているのだろうか?

※本記事は、2022年8月25日刊行の定期誌『MarkeZine』80号に掲載したものです。

「ターゲティング」そのものが「悪」なわけではない

——自分のデータが知らないうちにどこかで使われている、デジタル上で追跡(ターゲティング)されていることを生活者の多くが認識するようになりました。ターゲティングは見透かされ、広告が嫌われる要因にもなっています。はじめに、細田さんはこうした状況をどのようにご覧になっていますか?

 今号の『MarkeZine』の特集は、「ターゲティングを疑う」ということが1つのテーマになっているかと思いますが、拝見したときにすごく時代性のあるテーマだなと思いました。「ターゲティングの在り方」は、まさに我々も最近よく議論しているテーマです。

株式会社TBWA\HAKUHODO Chief Creative Offi cer/Disruption Lab 細田 高広(ほそだ・たかひろ) 氏 一橋大学社会学部卒業後、2005年に博報堂入社。ロサンゼルスの広告会社TBWA CHIAT DAYを経て、2012年からTBWA\HAKUHODOに所属。Chief Creative Officerとして、クリエイティブの全体統括を務めながら、広告にとどまらず企業のビジョン開発、事業・商品・サービスのコンセプト開発も担っている。これまでにカンヌ・ライオンズ金賞、スパイクス アジアグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS、クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリストなど国内外で受賞多数。
株式会社TBWA\HAKUHODO Chief Creative Offi cer/Disruption Lab 細田 高広(ほそだ・たかひろ) 氏
一橋大学社会学部卒業後、2005年に博報堂入社。ロサンゼルスの広告会社TBWA CHIAT DAYを経て、2012年からTBWA\HAKUHODOに所属。Chief Creative Officerとして、クリエイティブの全体統括を務めながら、広告にとどまらず企業のビジョン開発、事業・商品・サービスのコンセプト開発も担っている。これまでにカンヌ・ライオンズ金賞、スパイクス アジアグランプリ、ACC TOKYO CREATIVITY AWARDS、クリエイター・オブ・ザ・イヤー メダリストなど国内外で受賞多数。

 ご質問に対して、まず前提のところからお話しすると、基本的にターゲティングは今もこれからも必要なものである、というのが私の考えです。誰のためにこのメッセージを届けるか? を考えるのは、コミュニケーションの基本的なお作法ですよね。広告はよくラブレターに例えられますが、メッセージを送る相手が定まっていないと、いい文章は書けないし、想いも伝わらない。つまり、ターゲティングそのものが悪いわけではないと考えています。

 では、なぜこうした状況になってしまったのか? 私は大きく2つの理由があると思っています。

 1つ目は、「企業の態度」です。アドテクが進化し続け、細かく色々な人にターゲティングできるようになりすぎた結果、「顧客をコントロールできる、一方的に操作できる」という一種の万能感がマーケターに生まれてしまっているような気がします。マーケティングは便利になりすぎたのかもしれません。よく、顧客を「囲い込む」とか「刈り取る」とか、情報を「吸い上げる」とか言いますよね。デジタルでは、わかりやすく数字の変化が目に見えるので、だんだんマーケティングがゲーム感覚になっていったのではないでしょうか。当然ですが、ゲームの標的にされて気持ちいい人はいません。これは、決して他人事ではなく私自身にも思い当たる節はあります。

 もう1つの理由は、「デジタルメディアの特性」です。よくテレビCMは“隙間産業”だという言い方をするのですが、もともとテレビCMは、番組と番組の間などの隙間時間に視聴者を楽しませるものでした。その隙間は基本的にみんなが合意しているものなので、視聴者はある程度受動的に広告を受けていたわけです。

 一方、デジタルは能動的なメディアです。スマホで好きなものを探したり、深めたりしているときに、横から邪魔が入ってくる。しかも、それがストーキングされているような内容やメッセージとなると、ますますイラッときてしまいますよね。受動的なテレビと比べて、能動的に使うスマホでは同じ広告であったとしても、より面倒な存在に感じられてしまうのです。

この記事はプレミアム記事(有料)です。ご利用にはMarkeZineプレミアムのご契約が必要です。

有料記事が読み放題!初月1円キャンペーン中!

プレミアムサービス詳細はこちら

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラスをご契約の方は
・こちらから電子版(誌面)を閲覧できます。
・チームメンバーをユーザーとして登録することができます。
 ユーザー登録は管理者アカウントで手続きしてください。
 手続き方法の詳細はこちら

次のページ
ステレオタイプ的な広告からの脱却

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
特集:ターゲティングが嫌われる時代のシン・ターゲティング連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2022/08/25 08:30 https://markezine.jp/article/detail/39712

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング