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MarkeZine Day 2022 Autumn

営業リソース不足にどう対応する?東芝グループ企業の実践から学ぶ、BtoBマーケ組織の課題の解消方法

 マーケティングという言葉の意味する領域が拡大する中、企業はマーケティングを推進する組織をどのように構築していけば良いのだろうか。このテーマに対して、MarkeZine Day 2022 Autumnでは、BtoBマーケティングの支援を行う東芝デジタルマーケティングイニシアティブの内村裕香氏が登壇。マーケティングストラテジストとして戦略策定・推進を担う中で実践してきた事例をもとに、「各種施策の連携・一貫性をどう担保するか」、「人材不足をどう乗り越えるか」というBtoBマーケティングにおける課題を解消する方法を解説した。

BtoBマーケティングを進める4つのステージ

 「マーケティング」と聞いたとき、どんなイメージを浮かべるだろうか。近年はその言葉がある種バズワード化し、その意味するところが広がっている。マーケティングストラテジストの内村氏は、そうした状況をセッションの冒頭で「マーケティング、マーケターの氾濫が起きている」と表現した。マスマーケティング、デジタルマーケティングをはじめ、世の中にはたくさんの「○○マーケティング」が生まれ、さらにその各施策を実行するマーケターがいる。

 内村氏はこのような現状を指摘しつつ、BtoBマーケティングを進めていくプロセスは「集客」「実名化」「リレーション」「カスタマーサクセス」の、4ステージに分けられるという。まずはプロダクトを認知させるための集客施策に始まり(集客)、プッシュマーケティングを可能にするためにメールアドレスを獲得(実名化)、そこから中長期的な関係を築きつつ商談化し(リレーション)、受注後は顧客の成功のために引き続きサービスを提供(カスタマーサクセス)。ここまでを1つのサイクルとして行っていく。

 そのサイクルを回していくにあたり、様々なマーケティング活動が展開されるが、その活動にはディレクターやエンジニア、クリエイターなど数多くの人材が携わる。事業会社としてこれらのマーケターを自前で抱えることは、前述の通り様々なマーケティングがあることも鑑みると、困難な場合がほとんどだろう。

効率的に課題の解決に着手するには

 すべての人材を自社で用意できない以上、社内で行う部分と外部協力を得る部分をそれぞれ考えていく必要がある。何より事業会社側が自前でやるべきことは、「戦略」の部分だ。これは、数あるマーケティング活動を統括していく「マーケティングプロデューサー」としての役割になる。

 とはいえ、すべてのマーケティング活動を最初から事業会社が網羅するのも容易ではない。そこで先述のように、「マーケティングプロセスを分けた4つのステージから、着手すべき施策を見極めるのが良いでしょう」と内村氏は語る。

 たとえば、サイトへの集客に悩んでいるのであれば、その課題は4つのステージのうち1つ目「集客」のステージに属される。認知はされているが、メールアドレスを取得できずプッシュプロモーションができないのであれば、「実名化」のステージに注力すべきだ。購買プロセスにおける関係構築が上手くいっていないなら「リレーション(関係性)」、既存顧客との継続的な取引に課題を抱いているなら「カスタマーサクセス」のステージを強化する。このように自社の課題を抽出し、ボトルネックになっているステージから着手することで、効率的に進めることができる。

 また、プロダクトの立ち位置によって、マーケティング施策も異なってくる。たとえば製造業の場合、たいていプロダクトライフサイクルの「成熟期」に属している。そのため、顧客獲得には基本的に競合他社から自社プロダクトへのスイッチを行わせる段階で、新規顧客の開拓には多大な労力とコストが必要な状態と言える。それを踏まえると、最優先となるのは既存顧客リストの活用であり、「カスタマーサクセス」ステージの施策から着手するのが効率的であると内村氏は解説した。

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この記事の著者

畑中 杏樹(ハタナカ アズキ)

フリーランスライター。広告・マーケティング系出版社の雑誌編集を経てフリーランスに。デジタルマーケティング、広告宣伝、SP分野を中心にWebや雑誌で執筆中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2022/11/07 08:00 https://markezine.jp/article/detail/40408

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