複雑なデータ、タッチポイントの多様化……One to Oneマーケティング実現のためには?
MZ:テクノロジーの活用でいうと、SCデジタルメディアは数多くのツールを取り扱っている中で、特にSalesforce製品に関して強みをお持ちだと伺っています。
村角:Salesforce製品における最大の特徴は、様々な情報を組み合わせて一元管理できることにあると思います。たとえば、顧客データを収集し統合的に管理・活用できるCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)を使えば、データの収集や分析、施策実行を高速回転で行うことが可能です。
先ほどお話しした通り、タッチポイントの多様化もありデータ周りは複雑になりつつあります。データの蓄積先がバラバラだと、たとえばコールセンターにクレームを寄せたお客様に対して状況を理解していない他部署の人間が適切とはいえないトーンでメールを送り、お客様をますます怒らせてしまうかもしれません。このような状況では、適切なお客様に適切なタイミングで適切なメッセージを届ける「One to One」マーケティングの基本を行うことは難しいでしょう。
しかしCDPを使えば、タッチポイントが複数あっても「バラバラの人」としてのデータではなく、「同じ一人」として対応することが可能です。
二見:セールスフォースの主な事業はCRMであり、CDPはあくまでCRMが発展したもの。統合CRM型の提案ができるのが一番の強みだと考えます。
村角:Salesforce製品はマーケター目線で作られているとも感じます。たとえば、セグメントデータの作成もGUI(Graphical User Interface)上で可能なので、SQLを書くのが苦手なマーケターにとってはハードルが一気に下がりました。また、ただデータを貯めることを目的としているのではなく、「お客様に向けた施策を考える」という出口から逆算して作られているので、マーケティングに活かしやすいです。
あと、アップデートも早いですね。時代の変化に合わせた機能改善がスピーディーに行われているので、「今までできなかったことが、できるようになった」と感じることが多いです。
すべては顧客理解から始まる
MZ:最後に、セールスフォースの考える今後のデジタルマーケティング領域の展望や、企業やマーケターにとって必要となることをお話しいただけますか?
二見:キーワードとして「瞬感」を挙げます。これはセールスフォースが2022年8月に行ったイベントのテーマとしても掲げた言葉なのですが、「顧客一人ひとりの瞬間(モーメント)をとらえ、期待を超えた感動体験を提供する」ことが重要です。お客様の感動体験にコミットすることは、ロイヤリティを上げることにもつながります。
そして感動体験を提供するには、お客様のことをよく知り、先回りして提案することが大切です。当社としてはCDPなどテクノロジーの面から、お客様の感動体験を作る企業様の後押しをこれからもしていきたいです。
MZ:SCデジタルメディアからは、マーケティングDX実現と成果のために必要なポイントを解説していただきました。どれも重要なものだと思いますが、特に何から手をつけていけば良いのか、ファーストステップをご教示ください。
村角:お客様のことを知ることからすべては始まります。お客様が日頃何に困っているのか、どんなときに嬉しいのかなどを考え、調べることが重要です。そもそもお客様のことをよく知らなければ、Salesforce製品などを使って、ポップアップを出したりクーポンを送ったりしても、興味を持ってもらえないでしょう。
自社の顧客のことを知ったうえで、どのような体験をしてどう感じてもらいたいのか。そこを起点に「感動の設計」をしっかり作っていくことが求められると思います。
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