新しい獲得手法を模索するため、Apple Search Adsにトライ
──comico様の課題に対し、どのような提案をしたのでしょうか。
日髙:獲得単価はもちろんですが、どのように広告媒体を広げていくかがポイントだと思い、Apple Search Adsの検索結果広告を提案しました。Apple Search Adsの検索結果広告は、App Store内でユーザーがキーワード検索した際に表示される広告で、指定のキーワードを直接買い付けるため興味のあるユーザーにアプリ広告を表示できます。
マンガアプリのプロモーションは、マンガのコマを使って作成したクリエイティブが多く、カルーセルなどで配信していきます。この場合、ディスプレイやSNS媒体の比重が大きくなるので、検索型でテキストを活用した広告という新しい獲得軸を持ち、全体の広告配信の効率化を図るご提案をいたしました。
浜野:実はApple Search Adsは初挑戦ではなく、2018年に4ヵ月ぐらい試したことがありました。当時Apple Search Adsはまだ新しく、グループ内のエージェンシーで運用しました。その当時はトラッキングがしっかりできており、他のメディアと比較するとROAS(広告の費用対効果)が低かったため、停止したという経緯です。その時の印象は、安く獲得できるが質はあまり良くない、というものでした。
ただ4年前のことなので、状況も変わっていると思い再度トライすることにしました。
日髙:App Store自体もプロダクトアップデートが行われており、ストア内でのユーザーの動きが重要になってきています。以前Apple Search Adsを試されたとも伺っていたので、ブランドを守るという観点も含めて小さく始めるご提案をしました。
横山:せっかくユーザーが自社ブランドを検索しても、他のアプリの広告が表示されるとそちらに流れてしまう可能性があります。comico様も、ブランド保護の観点で、一定数のユーザーの流出を防ぎつつ、他のキーワードにも広げながらユーザー拡大を進められるのが良いのではないかと考えました。
キーワード自動収集により広げて絞り込むアプローチが可能に
──具体的にどのような配信を行ったのですか。
日髙:横山さんの話にあったように、潜在ユーザーと顕在ユーザーに適切にアプローチしました。UNICORNには、自動最適化とキーワード自動収集という機能があり、機械学習を活用することによる人知を超えたキーワード群の買い付けすることができます。
横山:UNICORNでは、潜在的な可能性を含めてリーチを広げ、そこから配信結果を元に最適化していきます。そのため、良い意味での想定外のキーワードでも獲得できる場合があります。
comico様のキャンペーンでは、スタート時は大きく広げずに慎重に配信を進め、配信結果が順調に推移し始めたところで、キーワードの自動収集も行いながら配信規模を徐々に拡大していきました。
──comico様は、以前のApple Search Adsの運用と比較してどのような点が違うと見ていらっしゃいますか。
浜野:4年前に実施した前回は、担当者が韓国におり、言語の壁だけでなくリーチを広げる難しさがありました。今回は、自動でキーワードが収集されるので手間がかからず、かつ拡大していけるところは大きな違いになったと感じています。開始してすぐに獲得単価が良かっただけでなく、ブレも少なかったので、配信の拡大を進めました。
バナーなどのクリエイティブ制作は版権などの関係もあり、工数が大きな作業になっています。Apple Search Adsはテキストがメインになるので、そのような工数が一切かからないという点で、担当者としては嬉しい媒体です。
また他のSNS広告の場合、作品ごとに決め打ちでクリエイティブ制作を行うため、マンガアプリ全体のトレンドとして捉えきれていないところがあります。UNICORN様のApple Search Ads配信ではターゲットをあまり絞らずに、マンガ系のキーワードを収集していただきました。結果を見ると、予想しなかったようなキーワードで獲得できることも多いです。