成功事例3:第三者の活用で、SEO施策の優先度UP
3つ目の成功事例として田中氏は、第三者(田中氏)の仲裁を利用して施策のスピードを上げ、検索順位を圏外から1ページ目に引き上げたケースを説明した。
このケースでは、田中氏が支援する以前からチーム内に非常に有能なSEO担当者がいたが、SEO以外の施策の開発優先度が高く、やりたい施策がセールス部門や経営層の承諾を得られないことが課題だった。
そこで田中氏は「上から答えを教えるというよりは、答えを引き出すアプローチを採った」と振り返る。SEO担当者に「やりたい施策を全部言ってください」と促すと、開発工数を理由に通らなかった施策も挙がってきた。開発優先度をいかにして逆転させるかが鍵だったという。
田中氏は検索エンジンのアルゴリズムの成り立ちを高精度に把握しており、世界的なAIプラットフォームの品質評価を行った実績もある。田中氏が資料を作ってそれを経営層に見せることで、「専門家が言っていることだから間違いないだろう」と開発優先度が上がり、施策を実施したところSEOの効果が現れた。マーケターが第三者の意見を上手に利用したわけだ。
仲裁に入る側は、現場の理解を大切に
田中氏が、社内の軋轢をなくす鍵である「第三者」としてふるまう際、気をつけていることがある。それは現場を理解すること、ときに古典的な「根回し」をすることだ。
「事業会社ではセールス部門のほうが力を握っているケースが多いので、セールスアシスタンス部門などの業務を巻き取って現場になじむことが多いです。私も現場の人間なので、デザインやコーディングといった作業を一緒に行います。チームとしてもなじむことで、セールス部門のリーダーにあらかじめ決裁を得やすくなるのです」(田中氏)
外部の人が入っていった先で、すんなり意見を聞いてもらえるわけではない。根回しのほか、「チームが取り組んでることを、最大限肯定する」ことも大事にしているという。田中氏は「皆さん実践を重ねてきて、現場の痛みをよく知っている。そういった文脈で接すれば失敗しないと思います」と語った。
最後の総括として田中氏は「AIが進化しても社内政治はなくならない」と強調。数年盛り上がってきたDXに、さらに新たなガソリンとしてAIが登場している現在だが、「ここは1つスローダウンして取り組んでいただきたい」と田中氏。部署同士の不均衡なパワーバランスを放置したままテクノロジーを導入しても迷走してしまう。社内合意は第三者に強く影響されるので、うまく利用しない手はないのだ。
「組織の摩擦において、自分でがんばって説得することも1つの手ではありますが、それではAIで自分の分身をいくら作っても足りません。マーケターの皆さんのためにも、第三者をうまく活用することで一旦肩の荷を下ろすことは悪くないのではと思います」(田中氏)
『SEO記事を連続自動投稿できるAIツール、どこかにない?』
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