プロセス1.顧客ピラミッドの作成
2019年3月に、代表の山野がカンファレンスで西口一希氏と出会い、弊社の顧問就任を検討してもらう機会をいただきました。そこから私のマーケティングに対する価値観は大きく変わっていきます。
西口氏からは、たくさんの宿題が課されましたが、まずはじめに取り組んだのは、顧客ピラミッドの作成です。それまでアソビュー!はHowのマーケティングが中心で、単月の業績・KPIを見る習慣が強かったため、「ロイヤル顧客は誰なのか?」という視点を持っていませんでした。
しかし、毎週末おでかけ先に悩む顧客の課題を解決したい、月に1回は実際に使ってもらえるサービスになりたい、宿泊旅行よりも頻度高く使われるサービスになりたいという考えを背景に、下図のような整理のもと顧客ピラミッドを作りました。
また、現時点におけるTAMとSOMの定義づけをそのタイミングで行いました。TAMは「日本在住の18~69歳までの男女すべて」と設定し、SOMは「レジャー施設や体験・アクティビティをネットで予約・購入したことがある、検討したことがある人」と設定しました。
TAM(Total Addressable Market):ある事業が獲得できる可能性のある全体の市場規模
SOM(Serviceable Obtainable Market):ある事業が実際にアプローチできる顧客の市場規模
プロセス2:ロイヤル顧客の特定
次に行ったのは、アソビュー!が向き合うべき顧客の特定です。西口氏が『顧客起点マーケティング』で唱えている5segsにおけるロイヤル顧客を特定すべく、まずはアソビュー!の会員・購買データを基に調査するところから始めました。
具体的には、アソビュー!に掲載しているレジャー施設の購買データの内訳を分析。すると、小学生以下の子供がいるファミリーの顧客群が、他の顧客群よりサービスの利用頻度が高いことがわかりました。そうして浮かび上がってきたロイヤル顧客が「小学生以下の子供がいるファミリー」です。
実は、それまでは「20代女性でグループでアウトドアや文化体験を楽しむ人」をアソビュー!のターゲットの中心としていました。理由は単純で、会員データで取得している年齢・性別・住所情報を見ると、ここがボリュームゾーンだったからです。しかし、ロイヤル顧客という観点では、「20代女性でグループでアウトドアや文化体験を楽しむ人」の利用頻度は、たしかに低い状況でした。
とはいえ、私たちはなぜファミリー層の利用頻度がこんなに高いのか、その理由がいまいちわかりませんでした。そこから始めたのが、N1インタビューです。