ツールユーザーの熱量を高めて、SNSユーザーへ
野間(Sango technologies):一口に熱量を高めるといっても色々ありますが、私はマーケティング目線でどうやってバイラルを作っているかを紹介します。
具体的には「ツールとして活用しようとしてアプリの中に入ってみたら、SNSとしてもそれなりに完成度が高かった」と思っていただけることを目指しました。そこからユーザー同士でつながっていってもらおうと。
様々なチャレンジをした中でうまくいったのは、落書きツールとしての見せ方を出したときです。TapNowはウィジェットアプリなので、撮影した写真は角が丸い正方形になります。さらに3グリッドなどで表示すると、正方形の丸っぽい写真がいくつか並ぶようになります。それぞれにクレヨン調の落書きをすれば、昔のプリクラで撮影した感じになるのです。「めちゃくちゃかわいい」とInstagramに投稿され、かなりバズりました。
ツール利用者として入ってきたユーザーを、どうやってSNSとしてのユーザーに変化させていくのかがチャレンジのポイントだと考えています。
加嶋(NAVER Z JAPAN):ZEPETOにも当てはまりますね。バーチャルコンテンツをZEPETOで作って、それをまた他のSNSに投稿する。TapNowのようにツールとしての使われ方も確かにあるなと、伺っていて思いました。
片岡(Suishow):NauNauも同じで、相手がどこにいるかを確認するツールとして使っているユーザーが多いです。そこから熱量が高く使っているユーザーは、「いまここにいるから、会いに行くね」「近くにいるなら集まろう」というように、SNSとして人との交流や新たな出会いのために使ってくださっています。
SNSマーケティングは、サークルの新歓活動に似ている
片岡(Suishow):今回のセッションのテーマである「Z世代、アルファ世代を魅了する!新感覚マーケティング」について私が思うのは、特にSNSマーケティングは大学のサークルの新歓活動に似ているということです。
私の大学にはサークルが1,000ぐらいあるので、正直どのサークルにすればいいかなどわかりません。たとえばプログラミングサークルで「技術力が高いメンバーがいます」とアピールするだけでは人が集まらないのですよね。一方でプログラミングをほとんど勉強できないサークルなのに、盛り上がっているところもあります。なぜかというと、仲の良い人たちがたくさん集まっているから。サークル内で仲の良い友達が数人できれば、そのサークルから出ることはほとんどないのです。
アプリも同じことが起きていると思います。たとえばMetaからThreadsがリリースされましたが、機能としてはX(旧Twitter)とほとんど変わらないですよね。どちらがみんなに使われているかが、利用するかを決めるポイントになるのではないでしょうか。どうしたらユーザー同士が仲良くなれるかを考えることが大事だと思います。
岡田(Adjust):リアルグラフならではの熱量の在り方ですね。
終わりの時間になってしまいました。本日は、Z世代やアルファ世代を魅了するマーケティングについて、体験と熱量の部分にフォーカスした話をしていただきました。貴重なお話を聞かせていただき、ありがとうございました。