覚悟・熱意があればよし。業種業界・職種・年齢など全て不問
MarkeZine編集部:ビジネスクリエイティブジムにおける「クリエイティブ」は、いわゆる広告クリエイティブだけを指すものではないと聞きました。みなさんが考える「クリエイティブ」とは何でしょうか?
坂根:このジムの構想を話し合う中で、「クリエイティブって繰り返し言っているけど、そもそもクリエイティブって何だっけ?」という話になり、私たちなりに「こういうことかな」という解にたどり着きました。このビジネスクリエイティブジムでは、次の3つをクリエイティブ力として定義しています。
・課題を発見する力
・課題を問い続ける力
・課題を解決し、突破し、発展させていく力
ですが、これが正解だとも思っていないんです。これからの時代をサバイブしていくために必要な力は何かを、生徒の皆さんと一緒に考えていければと思っています。
MarkeZine編集部:HPには「クリエイティブ思考を身に着けたい人なら誰でも応募可」とありました。広告業界のクリエイター志望者だけではなく、また業種業界や職種、年齢も問わないのですね。
米村:そうです。実際、広告学校の卒業生も、広告業界に限らず色んなところで活躍していますからね。クリエイターに限らず、これまで僕が接してきたあらゆる業種の人たちの中にも“クリエイティブな発想力のある人”はたくさんいました。その職種におけるクリエイティビティは千差万別でしょうが、通底しているベーシックなものはあると思っています。それを知りたい、掴みたいと思っている方に来ていただければと。

田中:小霜さんの本『ここらで広告コピーの本当の話をします。』は、元々はコピーライターやクリエイター志望の若い子たち向けに書いたそうですが、実際には企業の中にいる経営者やマーケターの方々からの反響が大きかったそうです。真にクリエイティブ力を求めていたのは、承認欲求で「ポエム書きたい~(キラキラ)」というような若者よりも、目の前の仕事や課題をどうにかしたいと泥臭くもがいている大人たちだったんですね。
よく「広告を考えるように、人生の諸問題を考えると、わりと無敵」と話すのですが、実際にこの思考を身に着けられると、日々の働き方だけでなく、生き方も変わってくると思っています。

米村:1つの会社に入り、そこで定年まで働くような時代ではなくなっていますし、「自分という個人でどうやって生きていくか」という漠然とした不安や問題意識を、いまみんなが持ち始めていると感じています。特に若い世代の子たちは、多かれ少なかれ、みんなそんなことを思っているのではないでしょうか。
このクリエイティブジムで学んだことは、いまいる場所がどこであれ、これから先その人が生きていく際に必ずプラスになると確信しています。熱意と覚悟がある人なら、どんな方でも歓迎します。
小霜さんの言っていた「本当のこと」を、次の時代へ
坂根:今後のお話しもさせていただくと、以前の広告学校は割と閉じた活動になっていたんですが、今回のビジネスクリエイティブジムはオープンにしていきたいと考えています。講師と生徒のみなさんの“熱”をどんどん外に放出していきたいんです。ですから、時には企業も巻き込んで、その企業がいま実際抱えている課題にみんなで向き合ったり、一緒に議論をしたりもする予定です。場所も固定せず、その企業にお邪魔するなど課題に取り組むベストな場所に出かけていきたいなと。

MarkeZine編集部:筋肉痛的な痛みは避けられないのでしょうが、このジムに希望を見出す方もたくさんいそうですね。楽しそうです。
坂根:10年以上小霜のマネージャーをしていた私の個人的な想いとしては、小霜さんが残したものを伝えながら、どんどん進化させていきたいという思いがあります。小霜さんが言っていた“本当のこと”は、恐らくどんな時代でも生きていく力になる“本当のこと”です。彼の言葉が、今後どう影響を与えていくのかを見ていきたいですし、彼の言葉を残していきたいと思っています。