抽象化スキルを持つ
マーケティングの根本をたどればBtoCとBtoBの違いはなく、マインドセットもスキルセットも共通するものがある。この共通点を会得することが重要だと3人は語る。近年はYouTubeやSNSでもマーケティングを学ぶ事ができる。だが、「短尺で部分的に切り取られた情報ではマーケティングの体系、構造、流れを理解できるほど簡単な世界ではない」と池田氏。
大切なのは、抽象度の高い基礎的な理論を理解し、俯瞰的な視点で構造・体系を理解した上に、最新の情報を上書きしていくことだ。事例もわかりやすいが、それはその会社に適した方法だからこそ生まれた成功であり、まったく同じことを他社が行って上手くいく確率は極めて低い。事例を活用するためには、事例A、B、Cに共通する規則性や法則は何か?と抽象化する必要がある。
では、どうすればそのスキルは身につけられるか。3人の共通見解は「簡単で手軽な方法はなく、地道に専門書を読み込み実践していくしかない」というものだった。
「私も勧めてもらった書籍は全部読んでいます。1週間に1冊くらいは読んでいますね」(安藤氏)
近道はない、勉強と実践を続ける
最後に、池田安藤両氏はマーケターに必要なマインドについてメッセージを投げかけた。
「コスパ・タイパの時代ですが、急がば回れです。素晴らしいマーケターになるためには、やはり汗をかき現場で試行錯誤しながら自分なりの世界を作っていくしかありません。それが今日お伝えしたい一番のメッセージです」(池田氏)
「経営からバックオフィス部門を抜いたものがマーケターの仕事だと思っています。実践あるのみです。また、一次情報に直接触れることの大切さも常に意識しています。たとえば、世間で流行っていることは体験するようにしていますね」(安藤氏)
両氏の発言を受け、飯髙氏は「ここにいる全員がアクションを起こすわけではないと思う」と前置きをしつつ、「本日の講演が刺激となり、行動に移る方が少なからずいたら、この時間は非常に有益な時間だったと思います。ぜひ、できるとろから始めていただけたら嬉しいです」と語り講演を終えた。