博報堂生活総合研究所は1月15日、「働くことに関する意識調査」の最新結果を発表した。
自分の働きに対して年収が「105万円」足りない
まず、現在の年収における実態と意向のギャップを調べた。その結果、20~69歳の有職者の現在の平均年収が423万円であるのに対し、今の働きに見合っていると考える年収の平均は528万円となった。
このことから、生活者は現在の年収は自分の働きに対して平均で「105万円」分足りていないと感じていることが見て取れる。
また、年代別で「現在の年収」と「今の働きに見合った年収」の平均値では、全年代で「今の働きに見合った年収」のほうが高い結果となり、現在の年収に不足を感じていることがわかった。特にその差が最も大きいのは20代で「117万円」に。次いで、50代が「108万円」、40代が「107万円」、30代が「101万円」となった。一方、最も差が小さいのは、60代で「88万円」だった。
生活者の多くrが「勤務日時」「内容」「場所」への自由度に不満
続いて、働き方の「自由度」における実態と意向のギャップを調べた。「現在自由に決められる」実態に対し「今後自由に決めたい」という意向が10pt以上大きかったのは、「日数」「時間帯」「時間数」「曜日」「内容」「場所」だった。これらの自由度は、生活者が求めるレベルに達していないのが現状であることがわかる。
一方、実態と意向で大きな差が見られなかったこととして「仕事の進め方」「休憩時間」「服装・髪型」「休暇取得」などが挙がった。これらは働き方改革などを背景に、生活者が望む自由さをある程度実現できていることがわかった。
年代別で見ると、勤務日時に関する事柄の実態と意向の差が最も大きかったのは30代という結果になった。30代は子育て中の人が多いため、子どもや家族のために働く時間や日数、曜日などを今よりも自由に決めたいことが推察される。
また、20~30代では「服装・髪型」「在籍部門・部署」の実態と意向の差が大きいことから、自分で決められる立場にない若手に特有のギャップと言えることが考えられる。一方60代は、「年収」と同様に実態と意向の差は他年代と比べて全体的に少なめとなった。
働き方の実態と意向のギャップ、1位は「会社を超えて社会と関わる」
最後に、「働き方」について実態と意向の差が大きいものを見ると、1位は「会社を超えて社会と関わる」で+15.9pt、2位は「会社の中で自分で仕事を作る」で+15.7pt、3位は「社会に貢献する」で+14.4ptという結果になった。
これらの働き方は、いずれも実態では少数派だったものの、意向では半数を超得る結果に。仕事を主体的に捉え、会社を超えて社会との関わりまで意識した働き方を望んでいる生活者の存在が伺える。
【調査概要】
地域:全国
手法:インターネット調査
対象:20~69歳の男女 有職者5,000人
時期:2024年10月31日~11月5日
企画分析:博報堂生活総合研究所
実査集計:QO
【関連記事】
・2024年12月の消費意欲指数は年内最高値、女性が高い「女高男低型」に【博報堂生活総研調査】
・博報堂生活総研、生活の各分野のデジタル比率を調査 「情報取得」「店舗での少額決済」などが5割超えに
・生活者の約5割が週1回以上チョコを食べると回答 頻度が高いほど機能性を重視【マイボイスコム調査】
・25%の生活者が、最近「オンラインでの買い物が増えた」と回答【電通デジタル調査】
・生活者の4人に1人が「パーパスに共感する企業やブランドがある」と回答【パブリックグッド調査】