売上が前年比の2倍超!注目を集めるカスタマーエンゲージメント
━━Braze CEOのBill Magnuson(ビル・マグヌソン)氏へのインタビューに続き、今回は、Brazeの日本法人で代表取締役を務める水谷さんにお話をお伺いします。御社が日本市場に進出して早5年が経過しました。日本市場におけるBrazeの利用状況について教えてもらえますか?
グローバル同様、日本市場においてもBrazeの売上は急激に拡大。2024年時点で前年の2倍以上にまで伸長しています。同様にユーザー企業数も急増しており、2023年2月時点では約50社だったのが今では100社程となりました。
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また、2024年9月にラスベガスで実施した「Braze Forge 2024」や、同年10月に東京で実施した「Braze City x City Tokyo」に来場した日本のお客様も前年比で2倍ほどになっており、マーケットからの注目が高まっていることを強く実感しています。
この背景には、日本市場でも多くの企業が「カスタマーエンゲージメントの重要性」を認識し始めたことが挙げられると思います。
実際にこれまでは、ベンチャーに多いような「情報感度が高く、積極的に新たなツールの導入を検討する企業」からの問い合わせが基本的に多かったのですが、最近では「事業を多角的に展開する大企業」からのご相談が非常に多いです。
こういった状況を鑑みると、2025年~2026年の間で今よりもさらにカスタマーエンゲージメントに注力する流れが日本市場にも訪れると推測しています。
日本市場が抱える二つの特徴
━━現在の日本市場が抱える特徴について教えてください。
グローバルと比較して、日本市場には大きく分けて二つの違いがあると思っています。
一つ目は「活用されているチャネルの違い」です。これはBillも話していたので詳細は省きますが、日本市場で消費者に対して効果的なアプローチを行うには、LINEの攻略が必須であると言えるでしょう。
また、日本ではいまだにメールが主要なコミュニケーションチャネルとして活用されているのはグローバルと比較した際の大きな違いですね。
いずれにせよ、一日の中で「最も接しているデバイスは何か」と問われたらほとんどの人がスマホと回答するでしょう。そう考えると、より効果的にユーザーとコミュニケーションを行うためにも、アプリのプッシュ通知などモバイルに特化したチャネルを活用すべきです。
とはいえ、パーソナライズされていないメッセージを一斉に通知するようなやり方では、当然ユーザーは離れてしまうので、各ユーザーの行動様式や趣味嗜好に合わせてカスタマイズすることが大切であると言えます。
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二つ目は、「事業の興し方の違い」です。新たに事業を興そうと考えた際に、海外では「個人がリスクをとってスタートアップ企業を興し、事業を成長させる」といった進め方が主流です。しかし日本の場合、「大企業が主体で新たな事業や子会社を複数作り、新規事業を進める」といったパターンが多く見られます。自社が抱えるユーザーを送客することで、新規事業を成長させるという手法を採用しているのです。
つまり、これらの企業が事業を成長させるには、ブランド自体に対するエンゲージメントをいかに向上させ、各事業間の連携をシームレスに行うかを考えることが重要だと言えるでしょう。