先回りで時代の「美」を捉えてきたTHREE
スキンケア・メイクアップブランドの「THREE(スリー)」が、新カテゴリ「Scented Alchemy(センティッド・アルケミー)」をスタートする。ターゲットは、全世界の都市型生活者。ストレスフルな生活者の本能を解放するため、「香りを摂る」というコンセプトで芳香とサイエンスを掛け合わせたプロダクトを展開していく。
ブランドを運営するACRO社の企業理念『とぎすまされた感性で「時代の美」を創る』のとおり、THREEは現代の人々のニーズを先回りで捉えた美の在り方を提案してきた。社会の変化にともない、「美」をとりまく価値観は大きく変わってきている。THREEがいま新カテゴリで香りにフォーカスするのには、どのような背景があるのだろうか?
現代の生活者に寄り添い、マインドメンテナンス×香りを提案
THREEがこれからの時代を考えていく際にフォーカスを当てたのは、次の3つのキーワード(変化)だ。発表会に登壇したACRO 代表取締役社長の宮﨑稔章氏は「これらの変化は今に始まったものではないが、加速度的に人々の中での実感値が高まっていると考える。THREEはこれからの時代に必要な“新たなビューティ・ウェルネス”の体験を創出していく」と話した。
1.自然環境:夏の猛暑日が続き、7月の平均気温が過去最高を記録するなど、「四季」が薄れてきているのは多くの人が実感している通り。こうした自然環境の変化は日本だけでなく世界中で起きており、これから「季節感」が再定義されていくと思われる。
2.脳内環境:24時間いつでもどこでも情報に接続できる時代、望まなくても脳内には大量の視覚情報が流れてくる。人々の「脳疲労」がピークを迎えるのも近いのではないか。
3.社会環境:国際情勢を見ると「分断」が進み、相反する意見や価値観が拮抗している。まさに正解なき時代の始まりに、人々はいま立っているのではないか。
こうした背景を踏まえ、THREEが新たな領域として展開するのが、嗅ぐ・塗るに次ぐ第三の香りの領域=摂る香りである。香りは0.2秒で脳に届くと言われており、最短距離で人間の本能にアプローチすることができる。ストレスや情報で思考疲れしている都市型生活者のマインドメンテナンスのひと時にTHREEが寄り添うわけだ。
THREEは元々ディレクターズブランドの気質が強く、プロダクトの企画・開発はディレクターのクリエイティビティが起点となることが多かった。しかし、THREEのブランドマネージャー枡浩史氏によると、今回の新カテゴリは開発の行程から変え、デプスインタビューなど生活者インサイトの調査・分析も取り入れたそうだ。