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第113号(2025年5月号)
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横山隆治氏が「新トリプルメディア」で示す、次世代広告の勝ち筋

Q&A

Q.新トリプルメディアマーケティングはBtoBコミュニケーションやブランディングコミュニケーションにおいても活用できるものでしょうか?

A.もちろんBtoBにも活用できます。とにかくどんなパーセプションを持った人がいて、どんなメッセージによってビンゴになるかというコミュニケーションを最適化するというものなので、当然BtoBでもブランディングでも活用できます。

Q.トリプルメディアマーケティングにおいて、AIはどのように活用していくイメージでしょうか。

A.ほぼ全部AIで行います。ビンゴカード作成からメッセージ開発、配信計画までほぼほぼAIが行います。

Q.SNSで消費者インサイトを探る際に、現段階で有効なツールや方法論についてオススメのものがあれば、教えていただけますか?

A.生成AIがやります。AIが主体的に行うため、これからはもうツールではありません。AIに有効なものを出させたいのであれば、聞かれたことにはきちんと答え、やれと言われたことはやりましょう。

Q.新トリプルメディアマーケティングの「仕組み」を構築するとなると、大手代理店のビジネスも大きく変わることになるのでしょうか? 事業会社内で仕組みを構築するイメージでしょうか?

A.代理店が代行するのか、事業者が自らやるか。「部分的に」というのが考えにくいので、AIを使って広告主がやったほうが良いでしょう。

Q.リテールメディアが盛り上がるのは理解ですが、まだネットワーク化できていないなど、まだまだ課題があると思います。リテールメディアがネットワーク化される時はどんなプレイヤーが仕切る、まとめる形になりそうでしょうか?

A.仕切るのはいわゆるリテールメディア事業者になるでしょうね。配信はDSP事業者と組んで既に行われています。

Q.新トリプルメディアマーケティングが対象とする商材はトイレタリーや化粧品など、流通にならぶ商品を対象とした概念になるでしょうか。教育系・人材系・不動産・金融系などの業界で適応されるでしょうか。

A.リテールメディアのたとえば店頭デジタルサイネージでは、すでに保険のCMを配信しています。教育も人材も不動産も全くのストライクゾーンでしょう。

Q.CTVが主としてリーチを牽引する存在にはまだなっていないと思うのですが、中長期の捉え方という認識で相違ないでしょうか? あとimp在庫的にTVerがすぐ満稿になるような状況を踏まえると、CTVのimpを支えるのはYouTubeになるような気がしますがそれだとUGCコンテンツの在庫面がメインとなり、横山さんがよく仰るコンテンツの質の悪さと主体的な視聴態度を阻害する面で質的にもテレビと比べるのは適切ではない気がします。まとめると質量ともにCTVが主と言い切ってしまっていいのかが気になりました。この点どうお考えでしょうか?

A.リニアTVの視聴率が落ちることで効果的な広告枠が減っていることはその通りです。だからこそSNS広告やSNSプロモーション施策、リテールメディア広告を駆使して、当然リニアTVもターゲティングメディアとしてまずは最適なメッセージ開発ありきでAIが配分、配信してくれる。結果的にどのメディアにどれだけ配信されたかはあまり意識する必要はありません。配信対象と最適なメッセージをトリプルメディア空間でAIがベストにしてくれるだけです。

Q.ジャーニー型からビンゴ型へ、等は日頃マーケティングに携わる立場の人間からすると非常に納得感がありました。一方で、クライアント企業がマーケティング施策を実行するうえで「認知に課題があるから認知施策」「興味フェーズに課題があるから興味喚起施策」のような分かりやすさ(予算取り含む)が無くなってしまうのでは?とも感じました。このあたりの、時代の変化とユーザーの変化に対して企業のマーケティングの変化が追い付かない課題はどのようにクリアしていくのが良いとお考えでしょうか?

A.消費者実態をとるかクライアントが容易に認識できるかをとるか。前者でしょう。

Q.トリプリメディアの考え方はとても面白いですが、コンバージドに接触したユーザーがリテールメディアで購買に繋がったか効果測定がDCRなどを使わないと難しい気がします(あとはMMMなど)。トリプルメディアのあるべきメジャメントの姿について教えてください。

A.AIが最適化します。もうMMMとかはやめた方がいいです。人間が説明変数集めてきても、本当の要因の一部でしかないし、過去の実態を追認するだけです。AIは未来を予測してくれるので任せた方がいいのです。競合ブランドとの競争はAI対AIの闘いになるのであまり人が介在しないようになるでしょう。

Q.新トリプルメディアのなかでSNSとコンバージドTVがはたす役割はわかりやすかったのです!リテールメディアはどんな役割を果たすのでしょうか。買い場につながる行動の醸成、というのがそれにあたるでしょうか。SNSがインサイト発掘ということであれば、その先にあるコンバージドTVとリテールメディアが購入意向づくりのコミュニケーションを担うとしたら、コンバージドTVとリテールメディアの役割は似たものになりそうでしょうか?

A.メディアごとに役割りを規定するのではありません。このトリプルメディア空間で、消費者のパーセプションを観測して、メッセージを最適化する。これをAIにやらせるのです。

Q.新たなトリプルMMの概念において、コンバージドTVカテゴリが従来のリニアTVと比べて情報到達効率がかなり良くないように思います。それをSNS中心で再構築する場合、マスコミュニケーションに向き商品については代替手段として有効に機能するでしょうか?

A.広告枠の量で捉えれば、まだまだその通りです。ただリニアTVのCMの6割が60歳以上にあたっていること、高齢者のほとんどがフリークエンシーが多いにもかかわらず認知していないこと、などから有効な広告枠は実際には本当に少ないのです。ブランドから見て本当に有効な広告枠を吟味してみてください。それでもリニアTVはまだまだ力があるのは事実です。しかし1強ではなくなりました。だから、新トリプルメディア空間でメディアごとではなく、消費者パーセプションごとに配信対象とメッセージを最適化しましょうということを提唱しています。

Q.コネクテッドテレビ、SNS、リテールメディアを上手く使い分けるというイメージはわかるのですが、これまでの総合代理店さんが全ての領域をカバーできるのでしょうか?個々に強いエージェンシーを今後は使い分けるイメージでしょうか?

A.力のある総合代理店というか、「誰がやるか」でしょうが、いずれにせよAIがやるので広告主自らがやらないと意味がなくなるかもしれません。AIを鍛えるのは代理店でなくてもできます。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/24 10:23 https://markezine.jp/article/detail/49231

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