今回、ライブドアが発表した「ブロガーアライアンス」は、
- ブログサービスの運営継続と新規参入を、システム面から支援し、アクティブなブロガーを増やすこと
- ブログクチコミ広告のノウハウを各種メディアに提供し、健全かつ、巨大なクチコミ市場を作り出すこと
を目的とした新事業だ。具体的には、「livedoor Blog ASP」のブロガーネットワークと、「livedoor BR」提携パートナーとのクチコミプロモーションを組み合わせ、クチコミプロモーションの相乗効果を狙っていく。
livedoor Blog ASPの最初のASPパートナーとしては、昨年から、急激な成長を続けているイラスト共有サービス「pixiv」だ。4月23日、同社はブログサービス「pixivblog」をスタートさせる。
livedoor Blog ASPでは、ブログサービスをはじめたい事業主に対して、ライブドアのデータセンターで稼働しているlivedoor blogと同じシステムを提供する。ブログ事業者は、サーバーや回線のメンテナンスも不要で、スパム対策やパトロールなどもlivedoor blogと同様に施されるほか、OpenID認証も利用できる。
また、ドメインやデザインは事業者ごとにカスタマイズ可能で、ブログのクチコミ広告も新たな収益源として期待できるとしている。システム利用は、小規模スタート事業者向けの従量プランが、1ブログあたり月額50円からとなっている。
一方、pixivの狙いはイラストレーターがpixivのIDを1つ持っていれば、イラスト愛好者がネット上で必要なサービスをすべてまかなえるようにすることだ。
既存のpixivのサービスでは、イラストを発表することはできても、それと連動して告知を掲載するなどイラストレーターが自身をプロモートする部分が弱かった。今回の提携で、イラスト(pixiv)とテキスト(pixivblog)が補完しあうことが期待される。pixivではpixivblog開設に合わせて、イラスト作品をブログに掲載するためのブログパーツを提供するとしている。
「livedoor BR」は、商品やイベントのプロモーションにブロガーの体験を活用するクチコミプロモーションのサービス(BRは「ブロガーリレーションズ」の略)だ。
BRメディアパートナーの実績としては、ビジネストレンド情報誌「DIME」と連動したクチコミ広告「ブロマガ」が発表された。このように、他メディアとのクロスメディアを積極的に試みることでクチコミ広告市場のさらなる拡大を進めていく。
今回の発表の中で、ライブドアでは、2011年中の事業目標としてパートナー100社、800万開設ブログ、「ブロガーアライアンス」での売上規模を20億円と掲げた。今回は、ブログ事業に新規参入するpixivがASPパートナーとして発表されたが、昨今閉鎖が相次ぐ小規模なブログサービスを継続させる受け皿としても考えられており、たとえば「Doblog」のように立ち行かなくなっているブログをまるまるlivedoor Blog ASPでホスティングするといったこともありえなくはないようだ。
【関連記事】
・ライブドア、分社2期目で通期黒字化を達成
・ライブドア携帯サイトがリニューアル、ファーストビューを効率的に使ったデザインに
・ライブドア、ブロガーの記事をプロがニュースにして配信する新サービスを展開
・ライブドア、ファイル公開の有効期限を制御するApacheモジュールを公開