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MarkeZine Day 2026 Autumn

CXマーケターの革新事例を探る(AD)

「買う」だけではない顧客接点を創出。QVCジャパンが挑む、新たなエンゲージメント戦略とは

 マルチプラットフォーム通販事業のQVCジャパン(以下、QVC)は、日本での開局25周年の節目となる2026年4月に新たなポイントプログラム「QVC POINT CLUB」をリリース。同プログラムは、購入にとどまらない顧客のWeb行動データなどを活用し、多様なアクションがポイント付与対象となる。これにより、顧客との関係性を深化させる基盤を目指しているという。本記事では、QVCジャパンと取り組みの伴走支援を行ったプレイドの担当者にインタビュー。構想からわずか1年ほどでローンチに至った戦略設計から実装、運用まで、舞台裏に迫る。

「テレビ×EC」の統合体験を提供するQVCジャパン

MarkeZine編集部(以下、MZ):はじめに事業紹介をお願いします。

廣崎:私たちQVCジャパン(以下、QVC)は、テレビショッピングとECを主体としたマルチプラットフォーム通販企業です。社名に込められた「Quality(品質)」「Value(価値)」「Convenience(利便性)」を軸に、商品の魅力と、その背景にあるストーリーや価値をお客様に届けています。

株式会社QVCジャパン デジタルストア リテンションマーケティング スーパーバイザー 廣崎 圭氏
株式会社QVCジャパン デジタルストア リテンションマーケティング スーパーバイザー 廣崎 圭氏
EC・IT業界を中心にマーケティングや事業企画に従事。GMOペパボ「minne」マネージャー、noteのPMMとして事業成長に貢献した後、2025年2月にQVCジャパンへ入社。顧客との継続的な関係構築やショッピング体験の向上に向けた施策の企画・実行を担い、本プロジェクトでは全体のマネジメントを担当している。

廣崎:マーケティングを通して目指すのは、テレビが持つ「発見性」「高揚感」といった強みに、デジタルならではの個別最適化を掛け合わせた、「テレビ×EC」の新しい顧客体験です。

 そして単に「購入の瞬間」で終わる接点ではなく、ショッピングの前後も含めてお客様とのつながりをより豊かにしたいと考えています。サイトを訪れると新しい発見があり、気持ちが高まり、安心して関係を続けられる存在こそが、理想の姿です。

“買う前”も“買った後”も。「QVC POINT CLUB」で目指す関係作り

MZ:新たにリリースされたポイントプログラムについて、まずは立ち上げに至った理由を教えてください。

廣崎:私たちは、ポイントプログラム「QVC POINT CLUB」を単なる販売促進の施策ではなく、お客様との継続的な関係性をどう築いていくかにフォーカスした戦略的な基盤として構想し、実現しています。

 そのために、購入金額・回数などの直接的な行動だけではなく、間接的な様々な行動も価値ある接点ととらえ、ポイントを付与できる設計にしました。たとえば「毎日ログイン」「LINE公式アカウントと連携」といった、お買い物以外の体験でもポイントを獲得できる仕組みにすることで、お客様との日常的な関係性やQVCへの理解を深めるプロセスを大事にしたいと考えたのです。

 そうした積み重ねの結果として、お客様に「また見に来たい」「今後もここで購入したい」と感じていただける状態を作ること。これがLTVの向上につながると考えています。

「QVC POINT CLUB」マイページデザイン(画像出典:プレスリリース)
「QVC POINT CLUB」では、ECサイトやアプリ内での様々なアクションを通じてポイントを貯めることができ、貯まったポイントはQVCのショッピングに使える「QVCマネー」に交換可能(画像出典:プレスリリース

廣崎:背景には、年間100万円以上ご利用のお客様に向けた「QVCプレステージ・クラス」の存在がありました。この仕組みに加えて、幅広いお客様とより良い関係を作りたい思いが、今回の取り組みのスタート地点となっています。

 また、年間の購入金額が評価軸となるQVCプレステージ・クラスと差別化する意味でも、購入以外の行動も促進する仕組みが必要と考えていました。購入金額以外の関係性を深め、将来の事業を支える強固な顧客基盤の実現について、プレイドさんの伴走支援サービス「PLAID ALPHA」にご相談しました。

PLAID ALPHA(プレイド アルファ):企業のCX変革を目的に、全体戦略の設計から施策の実行・改善まで伴走し一気通貫で支援する、プレイドによるプロフェッショナルサービス

リリース後に出る「もっとこうしたい」まで見据える

MZ:相談を受けたPLAID ALPHAでは、どのようにプロジェクトの進行計画を描いたのでしょうか。

川名:最初にお話を伺ったとき、まさに当社のCXプラットフォーム「KARTE」が実現したい世界観そのものだと感じました。購入だけでなく、それ以外の顧客行動まで捕捉し継続して評価できるのは、KARTEの大きな強みです。QVCさんは元々KARTEをよく活用くださっていましたが、さらなる活用でお客様との関係性をより理想に近づけたいと相談をいただき、私たちプレイドとしても嬉しかったですね。

 具体的な進め方については、プログラムの完成後に出てくる追加の調整や要望に対応できることが重要と考えていました。先に細かく要件を固め合意を重ねる手法もありますが、今回は「お客様との関係性をどう作るか」という本質的な議論に時間を使いたい思いがありました。そこで、目に見えるアウトプットをPoCレベルで素早く作ったうえで、双方で共通認識を持ちながら議論するアプローチを提案しました。

株式会社プレイド 川名氏
株式会社プレイド Digital Experience team 川名 健太氏
「PLAID ALPHA」に所属し、アカウントリードとしてKARTEの導入・活用支援を行う。本プロジェクトでは、全体のプロジェクトマネージャーとして伴走。

廣崎:まず、私たちQVC側の要望としてページ構成や機能、機能別の目的や達成したい状態などをリストアップしました。それに対してPLAID ALPHAから提案をもらい、実現に向けた課題整理を進めました。

 PLAID ALPHAは当社の事業理解も非常に深く、かつ「技術的にできる/できない」だけでなく、ファイナンスや法的なコントロール、長期にわたる継続的な運用面など、複数の視点から不確実性の高い状況を想定して整理いただきました。要件定義のフェーズにおいて、私たちの要望に対し必要な論点を幅広く押さえながら、実行可能な形へ落とし込んでいけたため、非常に心強かったです。

ほぼすべてを「KARTE」で実装!プログラム開発の舞台裏

MZ:プログラムの設計はどのように進められたのですか。

津隈:今回大きな挑戦だったのは、当社のITチームが開発した「QVCマネー」への交換の仕組みと、PLAID ALPHAにKARTEで構築いただいた「お客様がポイントを貯める・確認する・交換する」フロントの仕組みを、協業しながら1つのシステムとして作り上げた点です。

 ポイントをQVCマネー化することは、非常にセンシティブな面をともないます。当社のIT部門側も初の試みでしたが、PLAID ALPHAに伴走いただきUIや不正対策をはじめとするほぼすべての要素をKARTEで実装しました。

株式会社QVCジャパン デジタルストア デジタルプログラミングチーム 津隈氏
株式会社QVCジャパン デジタルストア デジタルプログラミングチーム 津隈 真歩氏
QVCジャパンに新卒入社以来、デジタルマーケティング領域に従事。同社のKARTE導入当初から活用に携わり、2026年にはKARTE STAR 2026「GOLD STAR」を受賞した。本プロジェクトでは技術面のリードを務める。

津隈:中でも、「ポイントが貯まる行動をどう定義し、評価するか」の技術的な落とし込みに苦労しました。元々KARTEを活用しておりある程度の定義はできていたのですが、たとえば「商品レビューの投稿もポイント対象にしたい」といった、お客様に楽しく当社と関係性を築いていただけるアクションを網羅的にデータとして処理できる体制の構築が重要な開発要素でした。

 さらに、当社にとってお買い物アプリは、優良顧客との継続的な接点を強め、ロイヤルティを高めていくうえで非常に重要なチャネルであるため、楽しく使い続けていただけるよう注力しました。一方で、当社がECサイトとお買い物アプリという2つのチャネルを持つゆえに、双方でポイント付与の判定やユーザー行動の評価に齟齬が出ないよう設計する点は、非常に難易度の高いものでした。これらも、PLAID ALPHAの素早い技術検証で助けていただきました。

伊達:キャンペーン設計や効果検証の面も、PLAID ALPHAに開発支援をいただきました。当社では、番組とWebの両軸で毎月のように季節感を盛り上げる多様なイベントを開催しています。そうした取り組みにQVC POINT CLUBを掛け合わせることで、訴求力やインセンティブの向上を目指しています。

 合わせて、お客様が参加しやすく、当社からの情報を受け取りながら、ショッピングやサイト訪問自体をこれまで以上に楽しんでいただける設計にも力を入れています。高い視認性を備えたバナーやサムネイルの表示、お客様に能動的にアクションいただく工夫など、細かな部分からデータ連携まで丁寧に伴走いただき、企画意図を反映した運用が可能になりました。

株式会社QVCジャパン デジタルストア リテンションマーケティング リテンションマーケティングスペシャリスト 伊達 祐里枝氏
株式会社QVCジャパン デジタルストア リテンションマーケティング リテンションマーケティングスペシャリスト 伊達 祐里枝氏
QVCジャパンのテレビ部門でスタジオ制作や番組出演者へのパフォーマンス指導を担うトレーナーを経験後、マーケティング部門へ異動。「QVCプレステージ・クラス」における企画・運営を行う。本プロジェクトではプロモーションのリードを務める。

伊達:さらに、プロモーション用のセグメントデータも整備いただき、お客様の状況に合わせて最適な情報を届ける仕組みを実現できています。当社は単に商品を販売するだけでなく、商品が持つストーリーや魅力も含めお客様にお届けしているため、扱う商品や情報は多岐にわたります。その分、お客様一人ひとりに最適な情報を届け分けることが重要です。

 PLAID ALPHAは当社システムの仕様や運用の背景・情報まで理解いただいているからこそ、「何ができて何ができないか」の線引きを明確に提示してくれました。私自身はKARTEの仕様をほぼ知らない状態でのスタートでしたが、無駄な手戻りや大きな課題もなくスムーズに進められました

要件定義からわずか1年でのリリースと「現場の自走」を叶えた運用設計

MZ:伴走支援を行ったPLAID ALPHAの視点からも、一連の取り組みにおけるポイントをお聞かせください。

小林:作ろうとするシステムが大きくなるほど、個々の機能、UXやデータ、セキュリティ、運用などは、バラバラに検討が進みがちです。今回のQVC POINT CLUBは非常に大きなシステムでしたが、これらをひとつの顧客体験としてつなげていくことを意識しながら進めました。

 また、運用開始後にどういった要望が起こり得るのか予め想定した、「リリース後を見据えた設計」もカギでした。たとえば「配布するポイントの分量」や「ポイントの交換レート」など、様々な変更や調整の要望が生じるケースは少なくありません。そういった変数的な設定について、非エンジニアの方であっても、やりたいことの実現に余計な時間や開発リソースがかからなくて済むシステム設計を工夫しました。

株式会社プレイド 小林氏
株式会社プレイド Solution Architects team 小林 佑輔氏
「PLAID ALPHA」に所属し、ソリューションアーキテクトとして要件定義から実装まで一貫して支援。本プロジェクトでは、開発の支援から落とし込みまでディレクションを行っている。

小林:この他、お客様からお問い合わせがあった際に、サイト上でどのような行動をしていたのか、適切なポイント付与の行動をされているかなどを確認するためのクエリも準備しました。こういった環境の準備などにより、運用の大半をQVCさん側で自走いただけている状態を実現しています。

MZ:QVCでは、実際に運用が始まってどのような手応えを感じていますか。

廣崎:今回は、単にポイントプログラムを作るだけでなく、お客様にどのように接客し、情報を通してサービスを知っていただくかが重要なテーマでした。KARTEが持つ「接客」という設計思想の原点が一致していたことが大きかったですね。また、構想段階の抽象的な議論を実行可能なレベルまで具体化していくプロセスにPLAID ALPHAが入ってくださることで、顧客体験の観点と実装・運用の観点の両方で整理が進み、議論を前進させやすくなりました。

 まだリリースして日が浅い中ではありますが、現段階での成果としてお客様の生の声である商品レビューの投稿数が既に増加しています。レビュー投稿にもポイントが付与される仕組みができたことで、そのレビューが次のお客様の購入判断を支え、購入後のミスマッチを減らす重要な情報資産となります。お客様の行動が新たな顧客体験を支える資産として蓄積され始めている点に、大きな手応えを感じています。

 また、プレイドさんとの長いお付き合いの中でデータの蓄積が既にあったことも重要な要素でした。蓄積されたデータで新しい取り組みの評価が可視化できますし、データを活用した具体的な提案もいただけました。

 PLAID ALPHAの皆さんが、プロジェクトに対して熱い思いで真摯に一緒に向き合ってくださり、要件定義から約1年と非常にスピーディにリリースまで到達できました。

蓄積した行動データを次の体験価値へ

MZ:最後に、今後の展望をお聞かせください。

廣崎:QVC POINT CLUBは2026年4月にローンチした段階ですので、今後は2つのチャレンジを考えています。まず、データを蓄積してお客様の行動を改めて理解すること。そして、そのデータを活かしインサイトを発見することです。お客様の理解をさらに深め、新しい企画やより良いショッピング体験に結び付けていきたいですね。

伊達:先日開催したリアルイベントの際にも早速お客様からQVC POINT CLUBに対する喜びの声をたくさんいただき、リリース後も期待の声やさらなるご要望をいただいています。今後も歩みを止めずに、KARTEをさらに活用しお客様にわかりやすく楽しんでいただける体験を提供してまいります。

津隈:QVCとお客様の関わりが蓄積されていく中で、「ゲーミフィケーション」の考え方を活用しながら、ポイント以外の演出や仕様でも喜び・楽しさが生まれるプログラムにしていきたいと思っています。お客様にQVCのサイトやアプリを訪れてよかったと思ってもらえるよう、UI/UX、データ整備などの部分からも、もっと盛り上げていきたいですね。

川名:取り組みを進める中で、「こうしたい」という真摯なご意見を本当にたくさんいただきました。QVCの皆さんが前を向いて進んでくださるからこそ、私たちも全力で支援させていただける相乗効果を実感しています。QVCさんの思いをきちんと形にできるよう、引き続き伴走支援させていただきたいと思っております。

小林:QVCさんがKARTEに多様なデータを継続的に蓄積いただいているからこそ、今回のプロジェクトが実現できたと考えております。データがあってこそのKARTEであり、貯まったデータをより良い顧客体験を届ける施策に使うところまで含めて、私たちが「CXプラットフォーム」と呼ぶKARTEのあるべき姿です。今後もKARTEを軸として、ご支援を続けてまいります。

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この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

提供:株式会社プレイド

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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MarkeZine(マーケジン)
2026/08/31 10:30 https://markezine.jp/article/detail/77120