ディスプレイ広告のビュースルーデータ、99.9%の情報を可視化
同社の調べによると、クリックベースの評価では、広告の全接触データの0.1%しか対象にできないという。従来の評価では、バナー広告がどんなに表示されても、クリックされなければ「効果なし」と判断せざるを得なかった。しかし検索経由で購入したものの、過去にバナーを表示させていたことがコンバージョンに寄与している可能性もある。
ディスプレイ広告の「見えない効果」のついては、可視化していくトレンドにはあるが、まだまだ根付いていない。
「根付かない原因としては、「ツール利用料が高い」「データ複雑でわかりにくい」などがあると思います。どの企業でもビューの評価できるようにし、ディスプレイ広告本来の効果を可視化させ、根付かせていきたいというのが我々の考えです」(岩田社長)
そのように、多くの企業でビュー評価が可能になれば、誰でも、ディスプレイ広告を見たあとに成果に至った「ビュースルーコンバージョン数」や、広告を見たあと自然検索等を経て成果に至った「間接ビュースルーコン バージョン数」なども把握でき、ユーザーの態度変容から見た、クリエイティブや媒体を最適化することもできるというわけだ。
ニーズに応じ、Webマーケティングデータをよりシンプルに、より安く
従来の純広告であれば一定期間中、広告バナーを出し続け、その後に結果を集計→改善という流れでよかった。例えば2週間~1か月に1回という流れだ。
今はDSPの出稿なども定着し、リアルタイムなチューニングも可能なったため、統合的に集計が可能な効果測定もそのスピードについていく必要がある。効果測定が運用系メディアのPDCAサイクルと遅くするようなことがあっては本末転倒なのだ。
「ビューに関わる成果も含め、リアルタイム集計は当然のことだと思います。だからこれまでのアドエビスの+αという形でビューデータも網羅することにしました。重要なのは、大量のビューデータをどのように評価するかです。まだまだビューデータの評価方法は確立されていないと感じています」(岩田社長)
そこで、分析まで手が回らない企業には、ロックオンが運営する広告 最適化テクノロジーの研究機関「マーケティングメトリックス研究所」によるレポートサービスも用意した。多くの大手企業で分析事例があるという。
「弊社の行うセミナーのうち、ビュースル―データの計測・活用をテーマにしたものは、すぐに満席になります。さらに『データをどう活かすか』に多くの企業は頭を抱えており、レポーティングサービスの引き合いもこれまで多くありました。今回のサービスインで、やっとご期待に添えるようになります」(岩田社長)
また、もう一つの強みとして挙げられるのが、価格だ。
「DSP運用によってディスプレイ広告が身近になったため包括的にデータを管理できる第三者配信が必要になる。しかし価格が障壁になってしまっては、一部の企業でしか導入できなくなってしまいます。利用しやすい価格にすることで一貫したデータを基に最適化を行う環境を考えています」(岩田社長)
もともと同社 では、アドエビスの価格設定方針として、「広告出稿額の2%以内」を目安にしていた。限られた宣伝・販促費用は、出稿やユーザー分析など本来の目的で使われるべきと考えているからだ。さすがに測定対象領域を富士山並みにすることで2%には収まりづらくなったが、それでも5%未満を目標に設定した。同社の調べによると、現段階で業界最安値だという。
現在の企業には、分析に足る十分なデータがない。もしくは複数のシステムに分散して存在するケースも多い。従ってマーケティング担当者は、施策の個別最適はできても、ユーザーの行動を一気通貫で把握し、全体最適を実現する施策を実行することはできなかった。
しかし、時代は変わろうとしている。
ビューからコンバージョンまでのユーザーの行動データを「溜め」「分析し」「使う」ことでの最適化が望まれている。本インタビューを通し、「いかに溜めて」「いかに活かすか」という点を第三者配信アドサーバ「ViewThruエビス」の登場により、本来の意味でのマーケティング最適化が実現できる時代が訪れようとしていることを確かに感じた。
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