SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第99号(2024年3月号)
特集「人と組織を強くするマーケターのリスキリング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

ジェイ・コウガミの“デジタル音楽の新潮流”

Jay-Zとサムスン、“音楽でリーチを変える”ために実現した
前例のないブランド・パートナーシップ

 アップルと熾烈な覇権争いを繰り広げるサムスンは、一人の大物アーティストとのパートナシップを結びました。その契約内容は驚くべきもので、ソーシャルの巧みな活用だけでなく、巨額の資金が必要なある施策が含まれていたのです。今回はその取り組みを紹介します。

企業と音楽の関係が変わりつつある

 クリエイティブなミュージシャンとパートナーシップを組み、マーケティング活動を実施する世界的ブランドが増えています。企業と音楽の関係は、製品訴求やブランドイメージ向上を目指し、ミュージシャンを起用したテレビ広告やタイアップ等のプロモーション活動などが一般的でした。しかし近年になり、情報のオーバーフロー、デバイスの多様化、SNSの登場などによってターゲット層へのリーチは困難となり、従来のアプローチの見直しを迫られています。

 そこで今、世界の大手企業が注目しているのが、クリエイティブなアーティストと直接パートナーシップを結び広告の枠を超えてコラボレーションを行う、いわゆる「ブランド・パートナーシップ」を軸とするマーケティング手法です。

 今回はブランド・パートナーシップ戦略の中でも、特に先進的な取り組みを実施し大きな話題を集めた、韓国の携帯メーカーのサムスンの事例をご紹介したいと思います。

デジタル・モバイル・ソーシャル・マスを連動させた
サムスンの「ブランド・パートナーシップ」

 サムスンは自社のフラッグシップ製品「Galaxy」シリーズのブランドイメージ向上を狙い、ヒップホップMCで起業家でもあるジェイ・Zとパートナーシップを組み、これまでにないスケールでの音楽マーケティングにチャレンジしました。 

 サムスンはアップルと熾烈なスマートフォン市場の覇権争いを繰り広げています。ガートナーの最新の調査では、サムスンはスマートフォン市場での売上の30.8%を占め、世界最大のスマートフォンメーカーとなっています(アップルは18.2%)。しかし競争が激しい市場において、ブランドの魅力を伝え確実にターゲットへリーチすることは困難になりつつあります。また熱烈(時には熱狂すぎる)ファンを持つアップルのブランド力とメディアの注目度に比べると、通常の広告手法ではターゲット層にブランドイメージを訴求し競争力を上げることが難しくなってきています。

 サムスンとジェイ・Zは全く異なる業界の存在です。ですが、より多くの人に情報を届けたいというビジョンを共有したことからパートナーシップを結びます。

 ターゲット層へのリーチを最大化するために今回実施したアプローチは、デジタル、ソーシャル、モバイル、マスメディアを融合した大規模な戦略となり、ブランド・パートナーシップの進化型として大きく注目を集めることとなりました。

会員登録無料すると、続きをお読みいただけます

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

次のページ
マスメディアからYouTubeへ導線を作りバイラル動画を生み出す

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • Twitter
  • Pocket
  • note
関連リンク
ジェイ・コウガミの“デジタル音楽の新潮流”連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

ジェイ・コウガミ(ジェイ コウガミ)

海外の音楽とテクノロジーの動向を追いかけるブログを書いています。デジタル音楽をテーマに、Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスや音楽サービス、新しいテクノロジー、業界の最新動向、クリエイティブなデジタルPR事例、企業の音楽マーケティングなどをいち早く日本で紹介しています。米国オレゴン大学卒。雑誌やオンラインで音楽関連の寄稿記事を書いています。Twitter: @jaykogami Facebook: jaykogami ブログ:http://jaykogami.com

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2013/07/31 11:00 https://markezine.jp/article/detail/18188

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング