経営者、現場担当者の目的ごとに、見たいデータを直感的に確認できる画面をつくる
MZ:「見やすい画面」をどのように定義するのですか。
佐藤:あるBtoC企業では7年間にわたって、毎月1回経営層とマーケティング担当者による報告会を開催していました。そこでは、全国300店舗の販売管理データと、Webアクセス解析ツールのログデータを集計し、統合して分析することで、リスティングなどの施策が売上にどの程度影響していたかを見ていたのですが、1か月分のデータを集計するために3週間かかっていたそうです。この企業様のニーズとしては、どのアトリビューションからラストCVが生まれ、自社のコールセンターのどの担当がそのCVユーザーにアプローチし、そこから店舗のどの担当に連携し、その店舗に来たお客様がどれだけの売上につながっているのか、その算出を自動化して行いたい、というものでした。その課題感に応えるものとして、B→Dashを導入頂きました。
今回、このクライアント様に、特に評価頂いたのはB→Dashの「Exサマリ(エグゼクティブサマリ)」という機能です。この機能の特徴は“オートメーション化”と“アウトプット”の2つです。“オートメーション化”から具体的にご説明します。これまで全国300店舗からデータを吸い上げ、統合するのに3週間かかっていた集計が自動化され、多大な工数が不要になりました。そして、リアルタイムで結果を確認することが可能ですので、経営層が自らレポートを見れば、それで済む様になり、マーケティング担当者と行っていた報告会を行う必要がなくなったのです。そして、今まで集計3週間かかっていた経営の意思決定に必要な情報が、すぐに確認できる様になり、施策・対策がスムーズになりました。また経営層がレポートを閲覧する際には簡易な操作で瞬時に、好きな時に出力が可能なので、ストレスもありません。
次に“アウトプット”ですが、なんといっても“普段見慣れている”フォーマットであることが一番の評価ポイントでした。今のWebツールはデザインレイアウトに不慣れなことに加え、往々にして専門用語が多いなどの理由からどこに何があるかわからない、という声が非常に多かったのに対し、B→Dashの画面開発は使う人に合わせてフルカスタマイズで作成を行うので、“見づらい”ということはありません。
この際、画面開発でポイントになったのは、「7年以上使い続け、会議で見慣れていた報告書のデザイン」でした。カラフルなものではないので、普通の方が一見すると、少々と分かりにくいかもしれません。しかし経営層にとっては、これまでの報告書の体裁が実装されている方が、見たいデータを直感的に確認できるわけです。
井戸端:別の人材会社では、営業の達成率を晴れ・曇り・雨で表現したインターフェイスを実装しています。目標値を越えていれば晴れ、曇りは目標値の前後5%ほど、雨は目標達成率10%未満を表しているわけです。これも、ITに詳しい玄人の方から見たら格好悪いUIかもしれませんが、現場にとってはこのアイコンの方がわかりやすいんです。
井戸端:画面のデザインにしろ、指標にしろ、見る人にとってわかりやすくなければ、それは使いにくさにつながり、近い将来利用されなくなります。これを防ぐため、B→Dashの導入では、「いつ」「誰が」「どうやって」「どんな情報を見るのか」という要件定義を徹底して行います。
MZ:その要件定義やカスタマイズは、B→Dash導入時に付随するコンサルティングサービスなのでしょうか?
井戸端:導入時に、クライアントの要望に合わせ、標準的なプランでは3枚ほど画面UIを開発します。例えば、全て経営層向けサマリーを開発するクライアントもいらっしゃれば、業種や業界、企業特性によって「地域ごとのサマリー」や「営業担当者向けサマリー」など個別開発するケースもあります。
MZ:先ほど、「現場に根付くためには、極論をいえばユーザー人数分の画面が必要」とおっしゃっていましたが、3枚の画面で足りるのでしょうか?
佐藤:おっしゃるとおり、理想はそのとおりです。実際、「25人使うから、25枚の画面が欲しい」というリクエストもあります。25枚の画面は開発できますが、しかしそれだけ用意しても、必ず「使わない画面が出てくる」という事態が発生します。運用に乗らないものを無駄に開発してコストをかけるよりは、まずはスモールスタートで始める方が、ビジネス的に見ても絶対にメリットが大きい。追加の画面開発は導入後も可能ですし、リーズナブルな価格で請け負っています。まずは、投資する経営層と、施策の企画・実行を担うマーケターを中心に要件を固め、見やすく使いやすいインターフェイスを開発することに注力しています。おかげさまでかなりノウハウも蓄積されており、どのような要件にも柔軟に対応できます。
最終的な目的を実現するために、何をどのように改善できるか
MZ :要件定義にはどれだけ時間をかけるのでしょうか。
佐藤:当社では業務フローの調査、理想的なフロー設計のレイヤーから入っていくので、要件定義は2~3か月かけて徹底的に行います。外資系・IT系コンサルティング会社であるアクセンチュアやPWCなど、主にテクノロジー・システム領域のコンサルティングに従事していた人材を擁しているため、クライアントがどんな情報を、いつ、どれくらいの頻度で見たいのか、それで何をしたいのか、という要件と、現状分析の結果を合わせ、抜けているプロセスやデータを特定しながら導入を進めていくことができます。その状態から、最終的な目的を実現するために、何をどのように改善できるか考える。これが運用に乗せるまでに必要な期間です。
MZ:要件定義から画面開発、実装までの段階で、対応しきれなかった細かな要件が出ることもあると思うのですが、そこはいかがですか?
井戸端:もちろん、あります。特にマーケターの方は、「概要ではなくて細かいデータが見たい」というニーズを持つ方が多いでしょう。そのためB→Dashでは、「カスタムレポート」という機能を提供しています。簡単にいえば、Excelのピボットテーブルのようなもので、複数のデータをクロス集計する機能です。集計したいデータ軸を、ドラッグ&ドロップで入れていくだけで簡単に設定できるので、これを利用して個別要件に応えます。細かなところまでExサマリで対応するのではなくて、少々のカスタマイズの為にイチイチ外注しなくてもいい様に、この機能を設けました。
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