“リアルタイム・マーケティング・ハブ”となり得る「KANADE」ソリューション
押久保:リアルタイムにユーザーを分析して、リアルタイムに最適なアプローチを採る。そんな理想を実現する上で、貴社が「KANADE」ブランドで提供しているソリューションの強みを教えてください。
吉田:広告配信を最適化するDSPとして「KANADE DSP」を、ユーザー情報の管理や属性・行動分析をセグメントするDMPとして「Rocket Fuel Origin DMP」を、両輪で提供していることでしょう。
Rocket Fuel Origin DMPのベースになっているのは、DMP分野のForrester調査で7つのカテゴリでトップ評価を獲得した米X Plus One Solutions(現Rocket Fuel)のDMP。オープンな思想で開発されたシステムですから、数多くの外部サービスと連携して、企業のマーケティング活動を支援しています。他社製CRMなどとの連携も開発段階から想定されていて、非常にスムーズです。
そんな特長のあるRocket Fuel Origin DMPでさまざまなところからデータを集めてきて、そのデータに基づいてユーザーを分析・管理し、KANADE DSPによって最適なタイミングで最適なチャネルを通じて最適なメッセージを発信する。その3つのプロセスを強力に支援する“リアルタイム・マーケティング・ハブ”となり得る機能を両輪で備えているところが大きな強みです。
その他の特長としても、「レコメンドバナーやビデオバナーなど、多彩なクリエイティブを扱える」「自社開発した機械学習によってROIを最適化可能」「“顧客第一主義”を徹底する京セラグループならではのサポート力」「アドエクスチェンジ/SSP 15社と接続する国内トップクラス広告枠在庫」「商品マスタ・第3者配信・ワンタグ連携について、それぞれ豊富な連携先がある」といった優位性があります。
位置情報との連携も推進
押久保:直近の展開として、アイリッジ社と提携し、スマートフォン向け位置情報連動型マーケティングソリューションを提供していくことも発表されています(参考情報)。
吉田:アイリッジはスマホの位置情報を基に、パーソナライズしたメッセージをプッシュ通知できるO2Oソリューションを提供しています。当社のDSP/DMPと組み合わせることで、「このユーザーは、通勤途中で暇をつぶしているのか、ランチに行こうとしているのか、それとも自宅付近で気軽に買い物しているのか」といった状況を正確に把握し、より最適なメッセージを配信できるようになります。
もっと言えば、「Webサイトには訪問してくれるがアプリをダウンロードしてくれない」といったユーザーにターゲットを絞って、アプリを薦める広告を送り、インストールしてくれたらリアルな位置情報に基づいて、クーポンをプレゼントするといった施策も可能になってきます。そんな施策は、「O2Oによって実現できる理想型の1つ」として言及されてきましたが、これまでは乗り越えなくてはならないさまざまな技術的な課題があり、実現に至っていませんでした。
今後はO2Oに続いて、PCやスマホだけでなく店舗内のデジタルサイネージなども各企業がマーケティングチャネルとして活用しやすくなり、「IoTによって実現できる理想型」がまた登場してくるはずです。そうした理想型を実現する上で課題となる点をテクノロジーによって1つずつ解決し、マーケティング担当者を支援する。そんな目標を掲げて、今後も「KANADE」ブランドのソリューションを強化していきたいと考えています。